トンパ文字の衝撃
クールな文字を見つけてしまった。
トンパ文字-wikipedia
トンパ文字(東巴もじ)とは、チベット東部や雲南省北部に住む少数民族の一つナシ族に伝わる、象形文字の一種である。1400の単字からなり、語彙は豊富である。現在世界で唯一の「生きた象形文字」とされる。
《中略》
世界の文字の中でも唯一色によって意味を変えうる文字であり、黄色はお金(金持ち)、黒は悪などの意味合いを既存の文字に色をつけて字の意味を広げていく。
《中略》
トンパ文字一覧
この文字は、象形文字を通り越してもはやスケッチ文字だ。しかも、いちいち表現がかわいらしい。どうやら雲南省のほうで未だに実生活で使われている文字らしい。僕が最高に気に入ったのはこの動物シリーズ。パンチが効きすぎている。(上記リンクより)
尚、『トンパ文字変換』というサイトで、漢字をトンパ文字に変換できるようだ。(どこまで正確かは全く不明でもwikipediaに語彙は豊富だとあったので案外どれも正しいのかもしれない。1400ほどあると書いてあったが、日本の常用漢字がおよそ2000ほどなのでまあ6割くらいは網羅できていることになるのでお試しあれ)。僕もうれしげに本名をいれてみたら、結構かっこいい感じで笑えた。
文字というのは本当に不思議だ。日本語やアルファベット、中国や台湾の漢字はもう見馴れたものだが、韓国のハングルやアラビア語などは字面だけ見てもさっぱり内容が検討もつかない。が、当然現地の人たちは生まれた頃からその言葉で勉強し、交流し、恋をして、子供を教育し、その言葉によって葬送される。彼の人生はその文字によって必然的にある定まったルートを生きる事が前提となる。不思議だ。以前、海外旅行において物理的な自分の世界より精神的な自分の世界のほうがずっと狭い事を実感したと書いたが、まさに言語が違えばそこはすでに僕にとって秘境だ。初めは、タイもそんな印象だった。バイクで走っていても看板がタイ語しかないところが結構あったので困った事も何回もあった。しかしこれも不思議なもので、タイ語を覚えていくにつれ割と自然に発音の推測ができるようになる。*1が、トンパ文字に至っては発音の検討すらつかない。言語学者でなく、有名なデザイナーがこの文字を日本に広めたというのも納得がいく。
かといって用途があるわけでもなく、出オチ的な文字だったりする。が、世界のどこかにはこういうアジのある文字が行きかっている国があるという事は、この星くずの彼方、彩り豊かな地球に生まれてきた人生で、覚えておいてなんら損はない事だと断言していいように思う。
最後におもろかった文字を二つ。
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