Thee Rang 跡地

https://solaponz.hatenadiary.jp/ 跡地

やらないと気付けない

 の昔、とある歴史上の人物が「利いたふうな口をきくな〜!!」という名言を残した*1。胸のすく思いがするこのフレーズに僕は全面的に同意したい。その通り、世の中には利いたふうな口をきく手合いがとても多すぎる。やってもないし見てもないのにやれああだこうだと文句をつけ、批評したがる。もちろん、僕もその一人だと自負する。

言いたがりほど口だけ
人は、まったく知らないものであればあまりうるさく言わない。意見しようにも寄りかかる事実や仮説に乏しいからだ。こういう場合は静かに息をひそめて耳をそばだて、周りの人がどういう風に言っているのかひっそりと情報収集するものだ。しかし中途半端に知識があったり仄聞しているモノとなると、人は驚くほど意見を披瀝したがるのはなぜだろう。

ワールドカップが開催されていれば、やたらとサッカーの戦術にうるさくなる。世界陸上が行われていれば、それまで知りもしなかった選手の調子に一喜一憂する。甲子園が始まればどこそこのピッチャーがいいだとかバッターがいいだとか品評会がそこここで催され、原発が危ないと聞けば政府だ東電だの陰謀が日本国民を癌にさせていると騒ぎ出す。

そのうちの誰も、必死でサッカーの戦術トレーニングと基礎技術向上トレーニングなどしたことないだろうし、陸上競技の体調管理方法がどのようなものかも知らない。高校球児の抱える身体的リスクや野球偏重主義の高校スポーツ報道のアンバランスさも知らないだろう。原発についてもいつ、どこで、誰が、何が、どうして、どのように危ないのかをきちんと説明できるとも思えない。政府や東電がどういう理由でいったいどうやって精緻な陰謀を巡らしそれを社員に徹底させているのか、考えた事などない。

卑怯な日本人・利己的な中国人
きちんと調べた上で自分の意見を形成して、それを俎上に上げて戦わせるなり批評を受けるなり、ならまだわかる。しかし、多くの人は大抵、絶対安全な立場から一方的な批評を加えて終わりとしたがるものだ。そういうのは卑怯だと思うが、皆が皆するのならきっと卑怯なほうが正常なのだろうと信じる様になった。本来日本人とは卑怯な民族であったから、卑怯を最大の恥とする武士道が興り、栄えたのだろう。

余談だがある民族の考え方や宗教は、時折このように逆説的に働く事がある。階層社会イギリスでも、彼らは元来フェアという概念など持ちあわせていなかったため、フェアネスが絶対正義のように振りかざされる事となった。アメリカに渡ったヨーロッパの人々には母国での自由がなかったが故に、新天地は自由を標榜する国家となった。利己的で打算的な中国人の国家である故に、中国共産党一党独裁制を強固に貫き中央集権を徹底させた。

やるやらないは超大事な一線
それはまあいいとして。

例えば、肉親の死を体験した事がない人が悲しみについて1万の言葉を並べても、最愛の肉親の死を体験した人のたったい一つの言葉にも満たない。組織で這い上がりポジションを成した事のない人間が、表層的に官僚組織の隠蔽体質や既得権益をあげつらったからといって、ぐちや妬み・嫉みの域から脱し得ない。官僚組織の中で様々な経験・思考をした人物でこそ、批判に説得力と重みを持たせる事ができる。


やらないと気付けない。そういう事があまりにも多すぎる。

*1:フィクションで、です