Thee Rang 跡地

https://solaponz.hatenadiary.jp/ 跡地

MANGAあれこれ、漫画Are/Kore

 の愛読するとある方のWEBLOGにて
ヒカル、20年トリップ
http://komiyakou.blog69.fc2.com/blog-entry-13.html
 このようなエントリを発見してしまった。『漫画は間違いなく日本の最良輸出品だと思う。』との言葉が力強い。ここで挙げられている作品は「ヒカルの碁」という作品だが、僕も読んだ事がある。初めは碁も知らない主人公が大昔の碁の達人の霊に取り付かれて碁を初め、どんどん力をつけていくという作品で非常におもしろいし、プチ感動もある。無論海外でも人気を博している作品ではあるが、韓国で放送されたときに日本的な部分*1は全て消されたり覆われたりして放送されていたというのが一時期話題になった事もある。
 まあそれは例外としても、日本の漫画に世界が一目置いている事は多分事実だ。僕はそれを実際に認識したことがある。僕は海外に初めていった14歳のとき、うまれて初めて外国人という人種と会話をしたのだが、そのときのやりとりをおぼろげな記憶を辿って再現してみる。

At San-Francisco 20:00 sth
外人 "Hi! Kon-ban-wa!"
僕  "Hello... Kon-ban-wa"
外人 "u came from Japan?"
僕  "Yes. I am from Japan."
外人 "Dragon ball!! Goku! Kame-hame-ha!!"
僕  "....."

 と、こんな具合だ。いきなりだ。僕は緊張で何が起こったのか判らなかったが、とりあえず日本の漫画が愛されているというのは良く判った。このときの僕のイメージでは外人というのはみんな銃を持っていて*2、みんなアメリカ人で油断するとすぐに黒い車で海岸沿いの倉庫に連れて行かれるという酷いもので、この体験で一気に外人に対するイメージが変わったという印象がある。
 ここに一つ興味深いWEBページがある。
http://en.wikipedia.org/wiki/Manga
漫画についてのwikipediaの英語ページだ。なぜ犬夜叉の画像があるのかは謎だがこのページを開いたとたんに予想以上の情報量に驚いた。あまりに多いのでexciteで日本語に翻訳して流し読みしようと思ったが、何故か翻訳できないページだと表示されたのであきらめてそのまま読んだら、さすが外国人からの目だけあってかなり俯瞰的に漫画が述べられている。mangaとは、という下りではなんと1771年までさかのぼって記述している。そもそもmangaとは日本語で「ざっくばらんな、きままな絵」という意味であるという説明から入る事にびっくり。いきなり手塚治虫について語りだすところも流石だが*3、彼の漫画手法について詳細に分析しまとめるあたり筆者は日本人にせよそれ以外にせよかなりの漫画通だと考えられる。なかなかおもしろい記事なので漫画好きの方はこの手塚治虫の所だけでも読んでみる事をお勧めします。
 Gekigaというカテゴリの説明も詳しい。まずは
there were two forms of comic serialisation. One, the manga format, was based on the sales of anthology magazines which contained dozen of titles. The other, gekiga, was based on a rental format of an individual manga "book" of single title.
ときて、さらに漫画と対比して
In contrast, gekiga typically had more complex and mature story lines, with higher production value per page. For this reason, gekiga was considered to be artistically much superior.
と説明されている。続いてGEKIGAのレンタル提供形式が終わりを告げ漫画がGEKIGAにとってかわったというような事を書いて、筆者はGEKIGA贔屓なのか?といぶかしむと案の定
The gekiga-style manga most famous abroad is probably Akira.
とある。(笑)海外でのAkira人気は相当なものらしいという話しは日本でも有名だ*4。続くくだりでは永井豪の「ハレンチ学園」、楳図かずお*5の「まことちゃん」などに触れるあたり、一体誰向けの文章なのかよくわからなくなってくる。
 そしてさらに色々と興味深い内容が続く。In economic terms, weekly sales of comics in Japan exceed the entire annual output of the American comic industry. とあるから驚きだ。次に漫画の手法についても詳細に解説が入る(なぜか画像は「マーマレードボーイ」)。と、きりがないのでこのへんにしとこうかな。
 驚くべきはDojinshiというカテゴリがある事だ。折りしも、今現在我らがニッポンでは「コミケコミックマーケット)」*6なるものが開催されている。有明かどこかでやっているらしいが、これに参加するために関西のある友人はしばらく家に泊めてくれと言ってきたが、申し訳ない事に都合により泊められなかった。が、もし泊められていたなら是非そのコミケの戦利品を少しばかり拝見させていただきたかった。この「コミケ」の為に、日本中からある種の漫画ファン達がお台場に集結するという。世のカップル達はこの時期、もしお台場でロマンチックなデートをするつもりならば来週以降に繰り越すほうが賢明だと思う。
 さて、ここからは僕の話になる。おそらく多くの日本人はおもしろい漫画を読みたいという願望があると思う。なので、その一助となれば幸いだが僕の大好きな漫画について軽くご紹介したい。これもとある友人に紹介されたものなのだがそのときの友人の台詞は「最近宇宙物にハマっててさー」というもので、彼的にベストな宇宙物の作品をいくつか紹介してもらった。『2001夜物語』『Moonlight Mile』『度胸星』という三つの作品だ。後に紹介してもらった『プラネテス』も良かったが、この三つは大きなインパクトがあった。
 2001夜物語』(星野之宣は20年近く昔の宇宙もののSF漫画なのだが、大変おもしろい。中学生には少し難しいかもしれないが高校生くらいだと充分に楽しめる作品だと思うので、世の高校生のガキどもは一度は目を通すべき良作だ。宇宙の神秘と地球の神秘、ヒューマンドラマ、科学的発想のどれをとっても一級品だ。さらにそれでけではなく、そこには哲学的な世界観や神話の御伽噺(おとぎばなし)を盛り込んだ巧みなレトリックがある。犬の名前一つとっても心憎い演出が凝らされていたりして、恐らく漫然と読むだけの漫画しか読んだことのない人には充分に読めない作品だろうが、それ故に日本の漫画史上でも燦然と輝く大作SFで、宇宙モノNo.1との呼び声も高い。漫画に単なるバトルやドラマを期待しているだけでは無い人は必読。
 Moonlight Mile』(太田垣康男は何故かマイナーだが、力強く精緻な描写は画力で人を圧倒し、また泥臭く人間味のあるストーリーは人の想像力を刺激し、涙を誘う。登山シーンから始まり近未来の宇宙開発で独走するアメリカ、それに対抗する中国の台頭などをリアルに描き、そういった情勢の中でキーとなる一人の豪胆な日本人を主人公としたもので、割と政治色が濃い作品でもある。政治的な背景をある程度知っていればさらに楽しめるだろう。本の中では「ブルーカラースペシャリストが宇宙開発で必要とされる様になる」という事や「宇宙でのテロは地上でのテロ以上に脅威となる」という独自の予測もおもしろい。個人的には、登山から宇宙へという冒頭のシーンに象徴される様に一貫して極地のロマンが作品を貫いている所が好きだ。
 度胸星』(山田 芳裕)は『デカスロン』で一躍有名になった漫画家の作品だが、未完の大作としての評価が高い。(単に収拾がつかなくなった、打ち切りにあった、とかいうウワサもあるが。)これは火星探索をテーマとしたMANGAで、いきなり物理的に説明のつかない四次元のモノとの対峙から始まる。火星にて行方不明になった宇宙飛行士を救出するために火星探査に乗り出すというプロジェクトをNASDA(ちなみに改称していまはJAXAといわれている)が発表し、その日本人枠に入る根性をもった人材を募集する。登場キャラクター達は厳しい訓練に耐え宇宙飛行士となるまでの軌跡を描いた作品だ。衝撃的な物理概念が紹介され、読むものの化学的好奇心を刺激する。迫力のある太い線やおおげさな表情におもわずのめりこんでしまう。
 この三つは読んだことのない人には是非おすすめだ。書店では手に入りにくいだろと思うので、amazon等で購入することをお勧めしたい。*7

*1:着物だとか日本語だとか

*2:それを裏付けるかのように、アメリカに行って一日目に滞在したロサンゼルスのホテルで真夜中に外から銃声が聞こえた

*3:なんとDr.Teduka Osamuとある

*4:むしろ日本での評価より高い事で有名になった

*5:梅津ではないことに注意

*6:知らない人は無理にググらないほうがいいかもしれないです

*7:アフェリエイトみたいなヤツで、サイトで本紹介してかってくれたら金入るやつ、僕もやろうかな、、、