Thee Rang 跡地

https://solaponz.hatenadiary.jp/ 跡地

準備の出来ていない時に来るチャンス

 れを損失という。良いことないかなーとかいい儲け話ないかなーとかいってる人にそのときは決して訪れない。
 僕の尊敬するとある人物で、サーフィンが大好きでアメリカのサンディエゴの波に洗われながらMBA取得の勉強に励んでいる人がいる。彼のBLOG(だったと思う)のどこかに、

「サーフィンでは、波に乗っている時間よりもはるかに海面で漂っている時間のほうが長い。しかしその時間はあくまでアクティブウェイティングであり、いつか来るであろう大波に乗るチャンスを捕まえる準備の時間で、その長い待ち時間がないと大波に乗ることはできない」

というような事が書いてあった。その人から聞いた別の言葉で、「リングサイドにいるときよりもリングにあがるだけで勝率は跳ね上がるんだ」みたいな事も聞いてなるほどと納得してしまった覚えがある。
 彼女が出来ないと嘆く男がいる。彼氏ができないと嘆く女もいる。結構かっこいい子とか可愛い子がそういう事いってたりすることもよくあれば、周りからも素直に「なんで?」とか言われるような子が異性に全く困ってないというような事がある。恋愛は複雑な問題だが、これはアクティブウェイティングの態度によって大きく結果が分かる典型的な現象だ。
 サーフィンであればアクティブウェイティング(積極的待ち*1)とは波にうかんで体勢をつくって波を見極めるだけだろう(推測)が、恋愛やビジネスともなるとそうはいかない。たとえばとある集まりでふとした切っ掛けで異性と話すチャンスが生まれたときに、普段の生活で単調に家と会社の往復をしている人と、会社の後にサークルとか勉強会とかで趣味を謳歌して外部との関わりを保って普段からネタを培っている人とではそのチャンスを活かせる確率は段違いなのは想像に難くない。同じように、いつか起業したいと考えている人がふといい感じのビジネスチャンスに遭遇したときに、起業のシュミレーションを念入りに繰り返した人と新書の起業本をなんとなく読み流していただけの人とではそのチャンスが活きてくる可能性は段違いなのは誰でも分かる事実だ。
 イチローの言葉の中に、「あたりまえの事を当たり前に積み重ねたら特別になる」というものがあるが、これも日々当たり前のことをこなすのがすなわち積極的待ちであり、いつか訪れたであろうプロ入りのチャンス、スタメン入りのチャンス、200ヒット達成がかかった打席というチャンス、大リーグ進出というチャンス、・・・・こういうチャンスをものにする事でかれは特別になり、そしてそれを支えたのは日々のあたりまえの積極的な待ちだっただろうという事を言っているのだろうし彼の言動にはその積み重ねが如実に伺える。
 同様に前述の、毎日の忙しい業務にも負けずに趣味を謳歌して幅広い友人を作り、ネタを蓄えつつも3年間会社勤めしたサラリーマン君は、ふとしたチャンスがたまたま二回続きさえすれば、まず最初のチャンスですばらしい彼女を作って、そして次のチャンスで企業し成功して大きな家をたてて外車を乗り回せるようになるかもしれない。あたりまえの事をあたりまえに行っていただけのしがない1サラリーマンだったはずの彼はこうして特別になれるのだ。
 この例で言えば、毎日会社と家とを往復するのを当たり前だと捕らえるか、毎日少しずつでも外の世界を覗いてみるのを当たり前だと捕らえるか、それは非常に小さな意識の差にすぎない。日々の会社生活の中では誤差といっても差し支えの無いほど小さな小さな差だといえる。あなたに訪れるチャンスは、あなたの当たり前によってその姿を天使にも悪魔にもかえるだろう。

*1:分かりにくい人は、スクリューパイルドライバーを狙って飛び込んできたザンギに対してサマーソルトで迎え撃つガイルの姿を想像するとよいだろう。待ちガイルが反則に近いほど強いのは、彼の待ちはまさにアクティブウェイティングだからだ。もっと分かりにくかった人は、ごめんなさい。