食事と安全
どこかのお菓子屋さんで、賞味期限が切れた牛乳やらなんやらを使ってお菓子を作っていたというニュースが流れて、そのお菓子屋さんが謝罪したり総スカンをくらったりと色々と大変な事がおこっているようだ。賞味期限が切れた牛乳は酸っぱい臭いがするし、あんまりうまくない。そんなもんで作られたお菓子を食べてもうまくないだろうし健康にも害があるかもしれない。結構いいお菓子を出すイメージのブランドだったので、最近そこで食事をした記憶がある人はさぞショックなんだろう。
が、最近このお菓子チェーンで食事をしていない人が他人顔でいられるかといえば決してそうではない。
現実は、、、
色々な飲食店でアルバイトをした人はよく知っている事だろうが、大規模チェーン店やファミレスの類はともかく、大抵の中小飲食店や個人経営のレストランでは、さほど衛生観念は重要視されない。僕も経験があるが、皿をろくに洗わずに再利用したり、皿の上の飾り付けを使い回し足りするのは序の口で、一度床に落とした食材をそのまま使ったり、仕入れてから時間がたって普通は使わない食材を使ったりというのはざらにある事だ。ここには書かないが、もっと酷い事もたくさん見た事がある。レストランでも美容院でも学校法人でも企業でも国家でも、収益を上げようと思ったら取るべき手段は二通りしかない。売上を上げるか、コストを下げるか、だ。が、居酒屋などはチェーン店などが非常に強く、安い値段じゃなと客がこないので、必然的にコストを削って儲けを出そうとする路線をとる店も現れる。そうでなくても普通レストランでは野菜や魚、肉がどこで生産されたかなど気にもしない。少々古くても、加熱して出せばいいと考える。アルバイトが皿の上をゴキブリが数匹歩いているのを発見したとしても、わざわざ殺そうと努力しているとマスターに蹴りを入れられるのがオチだ。
というのは、ほんの一部の店の考え方なのかもしれない。たいていの店はきちんと顧客の安全や健康を考え、良い食材を清潔に提供しようと努力しているのだろう。しかし、今目の前にあるレストランが国産の野菜だけを使っており、新鮮な肉や魚が目の前に並んでいると確信する事は困難だ。韓国が日本向けに輸出した餃子に生ゴミを入れたというニュースや、中国産のウナギからこれでもかという程の水銀が検出されるというニュースに比べたら、そのくらいを覚悟するのは簡単な事なのかもしれない。
大学・会社と親元を離れ一人暮らしを始めてから外食が格段に増えたが、それだけ食の安全に気を配る事も多くなった。幸い鈍い身体なのでちょっとやそっとじゃこたえないのだろうが、食のダメージは蓄積するというので配慮を忘れないようにしていきたい。
これを読む人は、どのように食の安全を考えているのだろう？
どんなレストランもピカピカの厨房で、きちんと洗剤で洗って食器乾燥機で乾かした皿に新鮮な食材を盛ってくれていると考えたいが、難しい。マスコミも世間も、今回の事件で特定企業をギャーギャー叩いて頭に血がのぼっても仕方がない。冷静に、足下から見直してニュースを掘り下げる事も必要なんじゃなかろうか。
