散歩景色

　午後二時ごろ、近所の橋を降りて川沿いを北に歩いてみた。意外と身近に桜が咲いている。もう葉桜になっているが。平日なのに子供達が遊んでいる。川で魚釣りをしている人たちがいる、しかも餌は一袋１００円。やすっ！川沿いの公園はきれいだが悪臭がする。
　役所に所要があって、そのまま税務課窓口へいった。担当者の物言いが高飛車だ。また、基本的に不親切だ。区民は甘やかせば付け上がるとでも思っているのだろうか。お役所仕事というがこれのことか、と一人納得。見た目はきれいなホームページはその実全く使い物にならないが、説明責任をどう果たしているつもりなのだろうか。あきれながらも一階に下りると勝海舟コーナーがありしばし見入る。彼はサンフランシスコには一ヶ月弱しか滞在していない事を知り、その期間に少し興味を持つ。しかし大した展示はなく、どうせ金をかけるならここにかけろよなと一人憤る。少年が一人、展示を見ながら熱心に何かをノートに書き込んでいる。感心するが、桜の季節くらいは外で遊んだらどうだ少年。
　二階から隅田川の方に出る。右手に勝海舟像、遠く正面には桜が咲き誇っている。スーツ姿のサラリーマン、観光に来たらしき一団、近所のおばちゃん、色々な人に混じり春のうららの隅田川をひたすら歩く。
　西に雨雲。台東区の任天堂支社の前でちょうど雨に降られたのでしばし雨宿り。軒を借りていたうなぎやの親父がカンバンのライトのスイッチを入れたので、夕方になっている事に気付く。雨に降られる前に、適当に近くにある駅に入ろうと急ぐ。
　秋葉原手前で大雨。インドカレー屋の軒で雨宿りしているとインド人に声をかけられる。しばし話をした後、あったかいチャイでも飲みたいと思ったがまだ開店前だったので残念だった。相変わらずの雨。気温は一気に下がり吐く息は白い。高架下や軒下をうまくくぐりながらなんとか秋葉のヨドバシへ、総武線にのって錦糸町に帰宅。相変わらず雨は降り止まない。
　錦糸公園の桜もすっかり散ったことだろう。寂しさの中に少し安堵を感じる。桜はやっぱり、ぱっと咲いてぱっと散るに限る。