Thee Rang 跡地

https://solaponz.hatenadiary.jp/ 跡地

不思議な韓国人

 Webで知り合った友人に、何人か韓国人がいる。そのうちの一人について。
 ゲームコミュニティみたいなとこで知り合った韓国人に、ある日突然「日本語を勉強している奴がいるから紹介させてくれ」と言われたのが始まりだったのだがそこからメッセンジャー登録し、色々と喋るうちに仲良くなってしまった。が、歳は僕の4つ下。初めて会話をしたときに彼はまだ高校生だったが、しかし英語力はいうまでもなく日本語も日常会話はほとんど障害なくしゃべれるレベルだった。
 すごいやつだ、と思った。日本の高校生で英語以外の第二外国語をスムーズにしゃべれる奴は本当に限られている。独学だと尚更、だ。話してみるとやっぱり鋭いやつで、文型的な才能に溢れるやつだった。
 一度日本に遊びにくるというので、家に泊めてやる事にした。そのころはもうチャットでしゃべっていて1年以上たった頃だったので、初めて会ったときは初対面の旧友に会う感じで非常に照れくさかった。僕がニューヨークに旅行にいって、帰国したその日に彼も日本に着くという事だったので、身体の疲れを押して迎えにいき、バイクのケツに乗っけて家に帰った。
 会ったとき彼は、ダンボール箱を抱えていた。何が入っているんだ?と訊いても「帰ってから開けましょう」との事。家についてダンボールをあけると、そこには韓国のインスタントラーメンや焼酎、海苔などがびっしりと入っていた。聞くと、彼の母親が持たせたのだという。
 何でダンボールなんや。普通袋とかに入れるほうがええやろ、しかもこんな箱もってると空港でおもっきり怪しまれるやろ!と言うと、彼は照れくさそうに笑っていた。まだ見ぬ韓国の母親のぬくもりを感じつつ、狭い部屋で一緒に飯を食って酒を飲む。そのままうとうとしてしまって、夜中に目が覚めて横でグースカ言っている隣国の友人を見ると、ぼけーっとした頭で俺今何やってんだーとか不思議に感じたもんだった。
 翌日、二人で京都に行く予定だったがさすがに疲れがたまったのが僕が熱を出してぶったおれてしまい、壬生寺への行き方を紙に書いて手渡した(どうやら新撰組の大ファンだという事だった)。一人でちゃんといけるのかどうか心配だったが、新撰組のはっぴをきたキティちゃんと2ショットを撮ってきたりして充分京都を楽しんだようだった。
 数日一緒にいて一つ気になったのが、食事の方法が全然違うという事だ。もっと直截に言えば、日本でマナー違反となる行為が韓国ではそうならないので、一緒にレストラン(というと聞こえはいいが、100円寿司とかラーメン屋とか 笑)に行った時に、『音をたてて食べる』『口をあけてかむので、ぽろぽろと食べ物をこぼす』、この二つにはどうもまいった。念のため、それって韓国ではマナー違反ではないんだな?と聞くと、はい、普通のことです、と言う(後日別の韓国人に聞いてみたら逆のことを言われたのだが)。食事のマナーが違うってのは非常に違和感があるもんで、こういうところから相互理解をしないと日韓関係ってのも根本解決の道は遠いなーと思い知らされた。
 韓国は近くて遠い国だ。日本とは昔話だけでなく、割と近代的にも色々な因縁や因果があって日本にとって非常に重要な国の一つだ。残念なことに政治・経済において様々なハンデを抱えてしまい日本の後塵を拝する事になったのだが、近年の韓国の発展は以前の台湾のそれを思わせる盛隆ぶりで、徴兵によって鍛えられる肉体的体力と、教育意識の高さによる英語力の底上げは非常に頼もしい。不幸にして政治がその経済の器を受け入れる体裁を整えていない*1ようだが、政治的な情勢が上向いてくると(具体的には、あと20年以内にはかならず良くなるはずだ、もっと早いかもしれない)必ずsamsungのような大企業が他にいくつも生まれ、育つ国になるだろう。
 そのときによきパートナーとなれるよう、今の僕らの世代はしっかり韓国に向き合って相互理解に努める事が大事だ。ネット上で韓国をやたら悪く言う向きもあるようだが、現実に生きる僕らにとってそんなこと言ってられるのはお気楽で結構だねえというようにしか見えてこない。
 僕の韓国の友人は、もうすぐ軍隊へ入る。たくましい男となって帰ってくる事だろう。それに比べて、内臓脂肪とか顔のぜい肉とかを気にしてる僕はなんと情け無いことか。。。
 

*1:先日も、戦前の韓国併合に協力した韓国人の子孫の財産を没収するという決定がなされたそうだ。法的にも道義的にもまったくあさっての方向を向いているこの施策は今の韓国の混迷とねじれを如実に表している。