Thee Rang 跡地

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世界一優秀な警察官

 本の警察官は、とんでもないろくでなし集団だ。詐欺は働くわ窃盗は働くは暴力沙汰は起こすわ痴漢するわ盗撮するわで、おまけに押収品の横流しはするわ捜査資料をネット上にばら撒くわ、連日のごとく新聞でその悪辣ぶりが報道され国民の信頼も国家権力を担う組織としての威厳もすっかり亡くしてしまって久しい。
 と思ったら、それは大間違いだ。
 日本の警察官は、優秀だ。優秀でいて、誠実だ。ニュースなどで警察官の悪事がやかましく取り上げられてテレビでコメンテーターがしかめ面をするのも、警察官が悪事を働く事が日本では珍しいという通念があるからだ。 元在日フランス人(という設定で実は日本人)のポール・ボネ氏の著作でも日本の警察官は世界一優秀だという記述があったが、あながち間違ってもいないだろう。犯罪検挙率も、地域あたりの交番の数もその証左となる。
 僕の愛する国、タイでは警察官は非常に敬われる。警察官を侮辱しただけでも充分な逮捕の理由となるというのもその理由の一つだが、タイの警察の制服は細身で非常にりりしい。あんなに熱い国なのに、征服を着込んだ警察官はたいていピシっとしていて、威厳を保っている。安い給料で国家治安に尽くす彼らに国民が尊敬を集めるのは当然だろう。
 が、タイの警官が敬われる背景に、彼らに対する恐怖や不審もある。
 日本では考えられない事だが、タイで交通事故を起こしたときに最も恐ろしいのは、相手方に対する賠償や責任ではない。警察官への賄賂である。なぜ賄賂が恐ろしいかというと、それが途方も無い高額だからだ。
 日本では賠償が巨額になっても保険にさえ入っていれば問題ない。が、警官への賄賂に保険などあるわけもなく、不幸にもタイで人間をひいてしまったドライバーは警官に年収ほどの賄賂を支払うか、もしくは逮捕されてしまうかのどちらかとなる。非合法にタカってくる人は他にもたくさんいる。よほどの金持ちか、警察にツテを持つかでなければ交通事故は人生を破壊するのに充分なアクシデントとなる。
 さらに、バンコクで警官による暴行事件、殺人事件が相次いでいる。警官を含む数人が女性を拉致し、暴行するという痛ましい事件も起こった。なんとか殺されはしなかった彼女はこの件をマスコミに訴えたが、警察の捜査は進んでおらず、市民の不信感は増すばかりとなっている。タイを訪れる外国人観光客でも、タイの警官に呼び止められ、言われるがままに高額の金を支払ったという人は多いのではないだろうか?何を隠そう僕も一度プーケットで理不尽な目にあったことがある。
 タウンを少し南に下ったところにある交差点で信号無視で捕まったのだが、見慣れないとはいえ信号に気付かず赤信号を直進した僕も悪かったが、それを警官にみつかって署にしょっぴかれたときに、高額の罰金を要求されたのはどう考えてもおかしかった。いくらだったかは忘れたが、バイクのキーを取り上げられさんざん捻じ込まれたら払うより仕方が無い。
 世界一かどうかはしらないが、日本の警察官が優秀なのはやはり間違いなさそうだ。以前僕の住む町で殺人事件があったとき、僕は錦糸町職務質問されたことがあるが、その数日後犯人が捕まったと報道されていた。警察が犯人を見つけたのは、僕を職務質問した場所から数十メートルも離れていない所だった。このニュースを読んだときはさすがに感心した。次に職務質問されても、ぞんざいに答えず労をねぎらうくらいの言葉はやはりかけたほうがいいんだろうなきっと。