Thee Rang 跡地

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Messengers sing’in in the dead of night -PART1-

 ッセンジャーを使い出してからインターネットがおもしろくなった。僕の他にそういう人は山ほどいるはずだ。はじめは一人二人の友人と話をするだけだったが次第に大学や高校の頃の友人達と話をするようになり、出会った人がPCを持っていたらとりあえずメッセンジャーのアドレスを交換しといて、後からお互いチャットで話すという事も多くなった。
 次第に、インターネットの中であるコミュニティの中で人間関係が出来てくると、互いにメッセンジャーでチャットをする事になり、話題性や価値観などが似通った人間同士が頻繁にチャットをするようになる。なので当然、そこで奇妙な、メッセンジャー上での信頼関係、というか人間関係というものが出来る。
 リアルな人間関係よりネット上での人間関係の方が良い関係を築きやすいと思う事がある。(事がある、という言い方をしたのは当然本来はそうでないのにそういう気がする、という意味だ。)
 リアルの人間関係を発展させようとしたときに、あなたはまずどうするだろうか。20より下なら放課後ダベったり昼飯を一緒に食ったり、一緒に服を買いに行ったりお互いの家にいったり、という事をするだろう。20歳以上なら、一緒に酒を飲んだりドライブや旅行に行ったりするのかもしれない。共通の体験を通してお互いの感じ方を感じ、意見の衝突や合意を重ねながら相手の人間性を理解し、共鳴するようになる。
 が、ネット上でメッセンジャーを通じた人間関係となると、ここまで労力を使わずとも共鳴は簡単だ。というのも、メッセンジャーをしているという時点でお互いはある特定の属性を備えているという事になる。即ち、『パソコンをしている』『同じメッセンジャーソフトを使っている』という共通点だ。細かく言えば、『同じ絵文字を使える』『同じ効果音を聞いている』等々と続くのだろう。そして、メッセンジャーをする機会があるならば必ずお互いの共通の話題が存在する。大学のある授業で知り合った相手ならその授業の話、サークルのツレならサークル内の真面目な話からメンバーを馬鹿にする話まで、ともかくも少なくともまず最初の一回は必ず共通の話題を持つ。
 次に、リアル人間関係での酒の役割を果たすものが、メッセンジャー間の人間関係でも存在する。『夜』だ。誰でも体験した事はあるだろうが、夜になると人はテンションが少し変わってくる。普段は寡黙で無難な発言しかしないおとなしい人も、夜になるとそれなりに本音を語ったり強く感情を表したりする。深夜1時や2時を回るとそれはさらに加速し、同じ時間を起きているという事の連帯意識も手伝い余計饒舌になる。お互い、あまり人には言ったことのない秘密や本音を打ち明けやすくもなってくる。それは酒の席で、留まりすぎず、踏み込みすぎず、自分と相手と上手くバランスを取りながら会話を発展させていく過程にも似て非常に楽しいものだ。しかも酒は、飲んでいる最中はいいが何時間もぶっ通しで飲酒を続けられるわけもなく、仮に21時に飲み始めたりすると2時や3時には大抵飲み終わり、酔いもさめ始めてくる。飲酒の疲れや会話の疲れもおしよせ、強烈な眠気に襲われる。反面、メッセンジャーでは夜がふければ更ける程会話がはずみ距離が縮まる。
 
 ・・・PART2へ続く