Thee Rang 跡地

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泣ける/泣けない

 くことはいいことだ。人は成長して歳をとれば取るほど、子供の頃のように泣かなくなる。しかしそれでも所詮は人間なので、なにかの拍子に涙を流してしまう事がある。
 
一般的に涙の役割は以下のとおり。らしい。

涙:Wikipedia



通常の分泌量は1日平均2-3cc。涙の原料は血液。9割以上が水で出来ており、タンパク質(アルブミングロブリン、後述のリゾチームなど)、リン酸塩なども含有する。涙腺内の毛細血管から得た血液から血球を除き、液体成分のみを取り出したもの。一般的に弱いアルカリ性の液体である。分泌された涙液は目の表面を通過したあと涙点に入り、涙小管・涙嚢・鼻を経て、喉から再吸収される。
涙には以下のような役割があるとされている。

  1. 目の表面(角膜・結膜)への栄養補給
  2. 瞼を円滑に動かす潤滑材
  3. 細菌・紫外線から目を守る防御壁
  4. 雑菌の消毒

涙は「油層」「涙液層」「ムチン層」の3層で目を保護して、その3層の合わせた厚さは約7μm(マイクロメートル)しかない。涙の持っている抗菌成分はリゾチームという。このリゾチームは、細菌の細胞壁(ペプチドグリカン)を分解する作用を持つ。
眼の使用頻度によって涙が蒸発しやすくなったり分泌量が減ったりすると、ドライアイと呼ばれる状態に陥る。

涙の効用
涙を流すとスッキリするのはなぜだろうか?
感情の高ぶりと涙の関係はまだ医学では解明されていない謎らしい*1が、悪い感情のときも良い感情の時も、とりあえずそれまで高ぶっていた感情をひとしきり落ち着かせてくれる。泣いた後は気分がスッキリして、物事に対してものすごく素直な気持ちになる事ができる。なので、定期的に泣くのはいい事だ。

人によっては、コレ見たらかならず泣ける!!って本とか映画を決めてあって、何か嫌なことがあったりもやもやしている時にはそれを見て感情をリセットする、という事をする人がいる。僕の場合は昔はSLAMDUNKの山王戦あたり、ちょっと後には『ショーシャンクの空に』がそれだった。二つとも、じめっぽいというよりは爽やかな涙が流れる作品だ。

それからちょっと後に韓流ドラマや1リットルの涙とかの作品が流行った事があるが、ああいう『見るからに泣かせる気満々』といった作品にはどうも食指が動かなかった。

泣けない大人
子供は何か気に入らないことがあれば、ワーっと泣いてその後はケロッとしている。大人も子供と同じくらい嫌なことがたくさんあるはずなのだが、まさか会議やお客さま訪問の場で手足をぱたぱたさせながら「ウワーッ」って泣き叫んでスッキリする訳にもいかない。なので、仕方無しに仕事のあとにアルコールを摂取してスッキリしたり、タバコを吸って血管を収縮させることで落ち着きを取り戻したりするのだった。

そもそも、「あの本は泣ける」とか、「あの映画は泣ける」だとかいう言い方自体がちょっとおもしろい。「泣かされる」でも「泣く」でもない。「泣ける」っていう形容詞には、まるで人は平常時に泣くことは許されておらず、その作品によってようやく泣く権利を一時的に与えられ、受け手はそれを喜んで享受しようとしているかのように思える。
その作品によって「泣ける」のは可能不可能としてではなく、その作品で涙を流す事は、充分に世界から受容されるという意味で、「泣ける」のだ。


僕は最近、トリィ・ヘイデンのエッセイを読んで何度か泣いた。あれは結構泣ける(特に親には)。
あなたはいつ何で泣いただろうか?

*1:感情由来の涙とそれ以外の涙では、タンパク質の含有量が違うのは確認されているらしい