Thee Rang 跡地

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旅先での読書 冒険小説編

 回の旅でも読書をする機会が多くあった。といっても、タイに上陸してからの話ではなく(逆に上陸後は皆無)飛行機の待ち時間と乗っている時間が主だった。二冊持って行った文庫は行きで全部読んでしまってまったく物足りなさにうちひしがれた。もっていった本はポール・ボネ「不思議の国ニッポンVOL.3」と、スチーブンソン「宝島」だ。後者は言うに及ばず、世界的に有名な少年向け冒険小説だ。買ったままにしておいたのをこの旅の機会に、と持ち出したものだった。
 前者については読むのは何度目かわからない(おそらく20回は読んでいる、なにせ小学校6年生から読んでいるシリーズだ)のでまあいいとして、後者は初めて読むのでまるで少年時代に戻ったかのようにどきどきわくわくしながら目を通す事ができた。
 僕は昔からこういう冒険小説が大好きだった。もちろんそういう人は僕だけではないだろう。僕が一番最初に触れた冒険小説はなんだったか、今だにはっきりと、おそろしく明確に思い出すことができる。それは幼稚園の年長組のときに、ご飯の時間が終わってから先生が話して聞かせてくれた『エルマーの冒険』シリーズだ。
 その時間、退屈そうに寝ている子もいたが僕も含め多数の子は、今日はエルマーはどういう冒険をするのか、どういう運命に出会うのか、、、などといった事をみんなでワイワイ話しながら、目を輝かせながら聞き入っていた。この作品は本当にいい作品だったと思う。この小説が僕の冒険小説、というか小説、物語の原点として刷り込まれたのはラッキーな事だった。
 次にはまったのは、定番の宗田理の『ズッコケ三人組シリーズ』だ。これも、どこかに冒険に出発するというシチュエーションが割と多かったのでドキドキしながら読む事がおおかった。今でもねころんで活字に目を通しながら、「うわー!!」とか「えーーー!!?」とか叫ぶ癖はこのころについたのかもしれない。もちろん、『僕らの七日間戦争』も読んだし映画にも燃えた。
 次に夢中になったのはジュール・ベルヌ海底二万マイル』だ。ノーチラス号の、不思議な航海や見たことも無い海中世界の神秘にクソガキながらすっかりみせられてしまった。いまダイビングが好きなのはこの影響もあるのかな?
 さて、僕の中での冒険小説はある所に達して満足されてしまった感がある。それが、11歳の頃に読んだミヒャエル・エンデの『はてしない物語』(ネバーエンディングストーリー)だ。はっきりいって、僕には圧巻だった。きっと読んだことがある人もいるだろうが、ファンタジー冒険小説として不朽の名作と行っても過言ではないだろう。主人公のいじめられっこ、バスチアン・バルザダール・ブックスが本の世界に入り込み、ファンタジー世界で大冒険を繰り広げる。ストーリーに沿って主人公は精神的に成長していき、読み手側の視点もどんどん変化していく。さらに、現実世界と本の中の世界についての記述で色が違うというのが全く驚きだった。知ってる人いるかな?(ちなみに後にハリー・ポッターにも目を通したが、ファンタジー小説としてはまったく「はてしない物語」の敵じゃあないなと安心した記憶がある)。
 この本は姉に紹介されたのだが、思えば彼女は小3か小4にはもうこの本を読んでいた。今考えるとなかなか読書好きな姉で、僕は彼女に影響されて否応なしに本に触れるようになった部分もある。(中1か中2で司馬遼太郎『この国のかたち』を読んでいたような記憶もある。僕は中3のときに読んでもサッパリ理解できなかった 笑)。もし今、電車にのっていて目の前の中学生がカバンから本を取り出して「この国のかたち」を開いたら、僕はきっとをその場で目を回してしまうだろーなあ、、、
 話を戻して、スチーブンソンの『宝島』について。
 『ジキル博士とハイド氏』で有名な氏の少年向けのこの小説はたしか実の息子に捧げられた作品であって、それだけに主人公の少年の知恵と勇気が至るところで発揮され、様々なピンチに陥りながらもある時は仲間に助けられ、ある時は自分の力で切り抜けとスリリングな展開の中にも正義や絆の重要性を解いた名作だった。一人の登場人物が物語の大きなカギを握ることになっているのだが、悪役としても善人としても書かれており、大人になった今読んでこそその両面性も理解できるものの子供が読んだらさぞミステリアスな人物に見える事だろう。
 海での船上のやりとり、無人島についてからの様々な冒険、戦いはスピード感とともに胸に迫ってきた。とくに戦いのシーンはまるで主人公の目を借りて島の中を走りまわっているような感覚におちいるほど迫力のある描写だ。もちろん冒険小説としては最適なエンディングを迎えることになるが、、、読んでいない人の為にそれは書かないでおこーっと。
 とまあこのように会社に通勤する日常から、海と緑を眺めながらのんびりする非日常への入り口としては最適な冒険をする事ができた。この素晴らしい小説に感謝!






 さて、以前のエントリの、PC周りの配線の片づけ状況について、、、


片づけ前の様子。汚すぎて恥ずすぎるが…これがどんなにきれいになるか お楽しみに!!!