Thee Rang 跡地

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猿がバナナを食うまでの話

 ル山というのは階級社会らしい。やっぱ一人のボス猿がいて、その下に側近みたいなのがいて、その下にその他大勢の猿がいるんだろうか?
 ある猿山のボスは、側近に常に指令を出す。側近はその他大勢のなかから適当にかいつまんだやつらにその指令を実行させるよう伝えるとしよう。その他大勢の中の猿A、猿B、猿Cはよく働く猿だった。たとえばボスがバナナを食いたいと言っている、と側近猿から聞けばすぐに飼育係や観客のところに飛んでいって、バナナをおねだりした。それは側近に上納され、側近はいくらかを懐にしまいこんでからボス猿に数本手渡し、ボス猿からの評価を得る。

 ボス猿「うめー。バナナ最高!俺がひとたび指令を出せばすぐに側近が手下を使ってバナナをとってきてくれる。なんてボスは居心地がいいんだ。俺の手下のやつらはみんなよくできてるな。」
 側近猿「今日もちゃんと猿A達はいう事を聞いてくれた。私の指示した色、形、匂いのバナナを持ってきてくれた。おかげでボスからお褒めの言葉をいただいた。おこぼれにも預かれた。」
 猿A「今日も一日働いた。側近猿さまの期待に沿える働きをしただろうか。ボス猿さまは喜んでくれているだろうか。」

 またある日。

 ボス猿「このバナナ腐ってるぞ!?こんなもの食わせるなんておまえダボか!?全く約にたたねえ側近猿だ!!」
 側近猿「猿Aが腐ったバナナをもってきたおかげでとんでもないお叱りを受けてしまった…猿Aめ!私はどういう形のバナナをとって来いと指令はしたが、ろくにバナナの中身なんぞに興味はないので腐っているかどうかなんて分からなかった。私はそんなことまで面倒見切れないぞ、悪いのは…誰だろう?」
 猿A「側近猿様に怒られてしまった、、、側近猿様はちゃんとしたバナナをもっていった猿Bを置きに召してしまったようだ。側近様に見捨てられたら皆にいじめ殺されてしまう。なんとかとりかえさなきゃな。」

 ボス猿「体が痒いな。暖かい風呂にはいりてえなー」
 側近猿「風呂…?!こんな要求は初めてだ、どうしよう。とりあえず猿Aに命令しておけばなんとかなるだろうか。猿A、暖かい風呂を用意しろ!」
 猿A「難しい要求だ…でもいつもお世話になっている飼育員さんにお願いしたりいろんな仲間猿にきいたらなんとかなるかもしれない。やれるだけやってみよう。」
 ボス猿「いい風呂だ!やるじゃないか、側近猿。いや、猿A。おまえは前からよくやってくれている。それに引き換え側近猿、おまえは何もできなかったな、何のためにいるのか分からない」
 側近猿「ボス、あなたのお望みどおりにして差し上げる為に我々がいます。いや、あなた様が望む以上のものを提供するために我々がいるのです。」

 ボス猿「そうか。猿Aは自分でバナナをとってくる方法もしっているし経験も十分に持っている。それに、予測不可能な危機的状況になったときにも色々な経験を生かして切り抜けたこともある。だがおまえたちがいないといかに彼らがバナナを取ってくる手腕に長けていても私は満足できないという訳か。」
 側近猿「そうです。我々がうまく猿Aや猿Bどもに命令してやって、あいつらを的確に動かしてはじめておいしいバナナや暖かいお風呂などという結果につながるのです。あいつらはどういう風にあなた様の要望を聞いてどういう風に答えればいいか分かりません。私は、あなた様がバナナを食べたいといえば今現在のあなた様のおなかのすき具合や、前日に食べたバナナの種類や、あなたさまの志向を踏まえたうえでどういうバナナをとってくればいいか、を猿A、猿B達に指示してやることを存在意義としています。私は彼らの労働力を区分けし、細かく管理しています。どの猿にどういう指示をだせば最もあなた様の望むバナナが手に入るかを常に考えています。あなた様のご要望はあいつらだけでは充分に満たせません。私のような側近猿がいてこそ彼らの働きや才覚もあなたさまへの貢献となって実を結ぶ事ができるのです。予測不可能な事態が起こったとき、私にはあなた様に直接話をする立場としては責任がありますので、私のほうから無責任な命令を下すわけにはいきません。彼らの機転はあなたを満足させましたが、それはあくまであの時だけのもので、平時あなた様を満足させていくのは猿の組織を管理して運用している私の役割なのです。そして、その側近猿という役割は他の猿ではなくこの私だからこそ可能なのです。他にも側近猿を名乗るような猿はいるようですけども、私こそが側近猿に最適なのです。」
 猿A「これからもできるだけボス猿様に気に入られている側近猿様に気に入ってもらえるように頑張るぞ。でも、言ってる事が釈然としないなあ。あくまでバナナをうまくとれるのは僕であって側近猿様じゃないよね…いつか、彼らの無能さを証明して僕がボス様に直接お話できるようになるだろうね。今は、とりあえずバナナをとってくる技術を磨いていこう!」

 こんな感じの猿山が・・・あったら嫌やなー。





 そういえば、関係ないけども日本版CIAがまじめに議論されているというニュースを聞いた。先日のエントリじゃないが、志願できないかな、、、と思っていたら、やっぱりメンバーは外務省、とか防衛庁とか内閣情報調査室のメンバー+『民間の優秀な人材』らしいから、縁がないっちゃ縁がないんかな…笑 タイムリーだったのでとりあえず追記。