Thee Rang 跡地

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タイ行政の一つの問題

 はタイという国が大好きだ。主に白い砂浜、青く透き通った海、豊かな食材、明るい人々に学生の頃に魅せられてからこの国について色々と興味を持ったのだが、当然いい面ばかりではなく悪い面というのも見えてくる事になる。その悪い面について。
 この国を今一番蝕んでいる病理とは、『政治不信』だと僕は思っている。
 そんなのどこの国でも一緒だよ、日本なんてもっと酷いぜとか言う人もいるかもしれないが、日本の政治不信などタイでの政治不信に比べれば吹けば飛ぶようなものだ。なんせバンコク一キレイで新しいデパートで、首相が反対派に囲まれてオバちゃんに足を踏まれて乱闘が起きるほどだ。半年ほど前には首相退陣要求デモがバンコクのいたるところで行われた。
 今の首相は『タクシン(ทักษิณ )』という名前だ。彼の経歴は意外にも日本版wikipediaに詳しい。
 wikipedia-タクシン・チナワット
 しかし、当然本家Wikipediaのほうがかなり詳細に記述してあるので一読の価値がある。
 wikipedia-Thaksin
 簡単にいうと、元警察官で、そして不屈の企業家の大金持ちで現在は首相となり各方面、各分野の権力者を身内で固め盤石の体制を持って政治を行っているが、金銭面で色々とトラブルがあり国民からの総スカンをくらっている状態だ。総スカンというと語弊があり、支持率確保という目的もあり金をじゃんじゃんつぎ込むため貧しい農村部からの支持は厚い。(昔の日本のLDPと構図だけは同じような感じ。)
 この問題について書き出すとキリがないうえにとりとめもなくなってくるので、現在アツいトピックについて簡単にまとめる。
 タイでは、アメリカと同じような感じで、国民全員にID番号というのが与えられる。日本では免許証の番号が同じような役割を果たしているが、これを電子チップ化にしようという話が出ている。これが現在問題になっている。
 何が問題になっているのかというと、電子チップ化した後のインフラ整備などにどの企業が携わるかを決める方式が非常に不透明な事が問題になっている。このプロジェクトを推進しているのはICT*1という省庁なのだが、ここにも当然タクシン首相の息がかかっており、税金で身内企業を潤すだけだろうという批判がうずまいているのである。その上、ソーシャルIDを電子化する事のメリットがいまいち不明瞭で、バンコク都心部でさえADSLが満足に使えなかったり、使えても非常に遅かったりする現状で果たしてそこまでソーシャルIDの電子化が必要な事なのかという議論も絶えない。
 社会保障番号を電子チップ化する事で得られるメリットというのは僕の発想ではいまいちピンとこない。たとえば手続きとかで住所入力が不要になったり、役所の混雑が解消されたり、身分証明がより迅速に確実に出来るようになり、公共政策が推進しやすくなるという事なのだろうか。
 余所様のお国の行政に口を挟める程エラくもないので、こういう問題がありますよという程度にご紹介。