Thee Rang 跡地

https://solaponz.hatenadiary.jp/ 跡地

お酒に呑まれる人の話

 は仕事の関係で平日は毎日JR秋葉原駅を通って家に帰っているのだが、だいたい僕が帰るような時間ともなると多くの人でごったがえしている。そして大抵毎日遭遇するのが所謂酔っ払いというヤツで、これがなかなか性質が悪い。
 昨日見た人は、列に並んでいる時から大声で何かを叫んでいた。見ると、携帯電話を手に持って何かを打っているのか、もしくはゲームをしているのか、熱心にモニタを見つめ、時折激しく携帯電話を揺さぶったりその場の床を蹴って大きな音をだしたりしていて周囲の人たちも眉をひそめていた。
 他にも、床に座り込んで堂堂と酒を飲みながら周囲の人間にわめきちらす人、大声で歌を歌う人、さまざまな迷惑な人たちがいるが彼らを見ると一様に顔が赤い。つまり酒を飲んでいる状態だ。昨日見た人などは、見てくれは完全にそこらへんの普通のサラリーマンだ。特に服が乱れているだとか、おかしな髪型をしているとかそういうわけではなく、ごくごく普通の人のように見えた。おそらく彼は普段は僕が一緒に仕事をしている人たちとなんら変わる事はなく、周囲にいる誰しもに不快感をまきちらしているそのときの彼はたまたま酒が入りすぎていただけなのだろう。目はうつろで、足元はふらついていた。迷惑なだけではなく、大変に危険な状態だった。
 酒というのは本来嗜好品であり、コミュニケーションツールである。嫌なことがあったから意識を飛ばしたいから酒を浴びるだとか、単純に楽しいから酒を浴びて酔っ払うだとかいった目的で呑む輩は、麻薬中毒者となんらかわる事はない。いや、むしろ件数でいうと法による規制を考慮してもそうやって酔っ払った人たちによる罪無き人々への凶悪犯罪行為というのは、麻薬中毒者のそれとは比べ物にならないほど多い事は事実だ。これはマリファナを合法にしようという運動の根拠にもなる例で、つまり酒は一度酔っ払ったらそのままずっと酩酊状態が持続するのでその点ではマリファナのほうが健康的にも社会的にも安全だというのがその主張だ。そのこと自体は誰にも否定されようがないだろう。
 やはり、酒を愉しむというのは少人数でじっくりと話をしながら、とか、祝い事などのしかるべき時に皆で感情を共有するため、とかそういう風なときであるべきだ。そして、大多数の場で酒をコミュニケーションツールとして使用したい場合は、あくまで酒はツールとしての役割だと忘れないようにしてコミュニケーションのほうを促進させるべきだ。僕の好きな言葉で、「酒の席での友情は酒と同じで一晩しか持たない」というものがあるが、この場合目的と手段を混同しないことが大事やんなあっていう感じの話。