Thee Rang 跡地

https://solaponz.hatenadiary.jp/ 跡地

世界は一つ

 んです!とかいうと何をうすら寒い事を、という人がいるかもしれない。僕もそういう風に思ってしまいがちな感じなのだが、しかしやはり世界はまごうことなくたった一つだ。
 世界地図や地球儀などから日本以外の国や地域について色々と推測を重ねていた数十年前ならともかく、現代は地表から数キロ上空に監視衛生が所狭しととびまわっており、今や一般市民まで行ったことも無いような地域の衛生写真を手軽に閲覧できる時代となってしまった。Google Earthにかかれば、僕の実家も、現在住んでいる家も、知り合いの家も、すべて航空写真で丸見えになってしまう。Googleは究極には、リアルタイムで世界中の映像を見せられるようになりたいと言っているらしい。そんなんドラえもんの道具やん!そしてさらに進化したら、過去の特定の日時の世界中の様子を検索できるような時代に突入してしまうのかもしれない。
 ビートルズが日本を騒がせていた頃、同時にケネディ大統領の暗殺を世界中が目の当りにしたという。"All You Need Is Love"の、ラ・マルセイエーズに似た有名なイントロやさびの部分と、ケネディ夫人の夫の死を目の当たりにして頭の破片をかき集める無残な姿は、衛星放送という技術によって日本の国民に届けられる事となった。
 その技術は、30数年を経て僕たちに素晴らしい景色を提供してくれる。色々なところで、色々な地形が話題になり、例えば地上絵、例えば長城、例えばさんご礁…。一生のうち一度も見ることがないであろう土地を、神の視点から眺めるのは楽しすぎる。
 という風に、地球を色々と見ていた。ふと、世界地図を夜に俯瞰した写真を見た。*1明かりが密集している国、まったく明かりのない国、さまざまな光が映っていた。中国とインドの間に横たわる広々とした砂漠やアフリカ大陸に飛び地のように存在する光点、今住んでいる東京の明るさなどなど、いろんな国にいろんな人が住んでいて、生活を営んでいるのが分かる。これをみて、冒頭の『世界は一つ』だなーとなんとなく感じてしまった。
 この広い宇宙の中、現時点での最先端技術をもってしても地球以外に生物の存在する惑星は未だ認められていない。存在は信じられてはいるけども。そんな中で、この地球にこれだけの明かりがともるという事が奇跡という気がして仕方ない。戦争もあるだろうし人種差別もあるだろう、食糧難もあるだろうし核戦争もあるだろう。生物兵器もあるだろうし大震災もある、貧困国家の難民もあるだろうしオイルマネーに潤う王族国家もあるだろう。だが、みんな人間という共通項を持っている。地面に二本の足をついて立ち、意味を定義した空気の振動でコミニュケーションを図っている。これだけでも、世界をどう分類することが出来るっていうんだろうか?
 僕が今吸っている部屋の中の空気は、ヒマラヤの上空に吹きすさぶ吹雪となんの違いもない。ドバイの人工島を洗うさざ波はいまから浴びるシャワーの雫と全く同一の物質だ。このモニターを見るために使用している光は、いまあなたの目に届いている。すごい。
 世界はどうも一つだけだった。(宇宙は、いくつなのか知らない。)

*1:『社会実情データ図鑑』という秀逸なWEBサイトより。このサイトはおもしろすぎる。