too much money
人間はお金の対価として得た食べ物を食べて、服を着て、家に住んで、死ぬ。僕のようなリーマンが日がな一日働いて賃金を受け取るのも、プロ野球選手が必至の形相で契約に望んでその結果に一喜一憂するのも、詐欺師が人生をかけて人をだましてその罰を受けるのも、たいていの動機は金にある。いくつかの主要な宗教においても、金に欲深くなる事はあさましい事だと戒められている。洋の東西を問わず金というものは常に人間の生活に重要な意味を持つものだった。
金の価値は人によって様々で、金がもたらす物もまた人によって様々だ。金は幸福をもたらすこともあるし、不幸をもたらす事もある。
お金と人生
メキシコの田舎町にある小さな漁村。海岸に小さなボートが停泊していた。
メキシコ人の漁師が小さな網に魚をとってきた。その魚はなんとも生きがいい。
それを見たアメリカ人旅行者は、
「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの?」
と尋ねた。すると漁師は
「そんなに長い時間じゃないよ」
と答えた。旅行者が、
「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。実に惜しいなあ」
と言うと、漁師は、自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だと言った。
「それじゃあ、一日の残りの時間はどう使っているの?」
と旅行者が聞くと、漁師は、
「まあ、朝ゆっくりと寝て、少し釣りをやって、妻のマリアとシエスタをとって、そして夕方になると村の広場に行って、アミーゴたちとテキーラを飲んだり、ギターを弾いたりするんですよ。とても忙しくて、充実した生活を送っていますよ、セニョール」すると旅行者はまじめな顔で漁師に向かってこう言った。
「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、きみにアドバイスしよう。いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。それであまった魚は売る。お金が貯まったら大きな漁船を買う。そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。その儲けで漁船を2隻、3隻と増やしていくんだ。やがて大漁船団ができるまでね。そうしたら仲介人に魚を売るのはやめだ。自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。その頃にはきみはこのちっぽけな村を出てメキシコシティに引っ越し、やがてはロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をり、拡大し続けるグローバルな事業を展開するようになる。いいだろう!」漁師は尋ねた。
「しかし、セニョール、そこまで何年かかるんですか?」
「まあ、20〜25年でできるよ」
「それからどうするんですか?」
「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」
と旅行者はにんまりと笑い、
「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ」
「億万長者ですか。そんなにお金があって、どうなるんですか?」
「そうなったらリタイアして、メキシコの小さな漁村に引っ越して、朝ゆっくり寝て、少し釣りをやって、奥さんとシエスタをとって、そして夕方になると村の広場に行って、アミーゴたちとテキーラを飲んだり、ギターを弾いたりして、充実した生活を送ればいいんだよ。どうだい、すばらしいだろう?」
以上の話は、誰が書いたのか分からないがだいぶ前からWEBでちらちら見かける寓話だ。こう見てみると、ただ金儲けをして立派な企業をつくり都会と言われる所にオフィスを構える事がいかに無意味かがよく分かる。無論、そのように功成り名遂げた人達はスゴイが、それは彼らなりの目標ややりがいを追求した上での行為だからであって、人に指示されて動いてきただけでいつのまにかそのような地位になったとしても何もすごくはない。その人が生き方を貫き、強い意志を貫いたからこそ僕らは彼らに感動する事ができる。この寓話に出てくる旅行者は、金の儲け方を知っているが、若さ故か環境故か、金の他の人生の楽しみを知らない。そしてそういう人達は誰の心にも思い当たりがある。だからこそこの話には皮肉とおかしさがある。
大金を持つという事
以前、とあるITベンチャーの社長は金で買えない物は無いと豪語した。が、これは明かに誤りであり金で買えないモノのほうが世の中には遙かに多い。時間や、宇宙や、生物の寿命や、貧乏人だけが味わえる感情や人生、幼い頃の教育、読書経験、だ。それと「品性」だと、やかましく言われていたのが記憶に新しい。大金を持つという事は結構な事なのだが、明らかにこれはリスクを伴う行為だ。盗難や焼失というリスクだけではない。人間は一度生活レベルを上げると元の生活レベルに戻るのはなかなか難しいと言われる。大金を浪費する癖がついてしまい、借金をしてでもブランド品を買ったり高級レストランに通う人達がたくさんいることを考えるとそれは事実だ。大金を持つと生活レベルが落ちるリスクというものも伴う。
僕と金
という事を書いてみたものの、僕は金が欲しい。まだまだやりたいこと、欲しい事が多すぎる。金をずーっと考えてみるとなんとなく不幸なイメージやネガティブなイメージが先行してしまうのはあんまりよくないなー。ほどほどに金を大事にしつつ、使い方を知っている立派な大人になりたいもんだ。僕の欲しい物をいかにリストしてみた。以下のものをそろえるのにいくらかかるのだろうか…?皆さんも、一度欲しいものをがーっとリストして、その総額を計算して出してみて欲しい。僕のように、案外安い欲望だなーと苦笑いしてしまうかもしれないので。
欲しいものリスト
- PS3 7万
- バイク 200万
- 車 2500万
- 広い家(マンションで結構)1億
- 色々な本 1000万分くらい
- 高級ギター 150万
- 修士号 1000万(くらい?)
- デジタル一眼 50万くらい
- (ファーストクラスで行く)世界旅行チケット 1000万
- 南の島に一件と、スイスに一件、マンハッタンに一件の別荘(2LDK位で良し)全部で1億5000万くらい
- …
全部で、、、3億907万円。 やすっ(笑)