Thee Rang 跡地

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杓子定規

 子定規では着物の長さも測れないし、人間と人間の距離や温度は計れないし、ゲームの結果もはかれない。じゃあまっすぐな物がいいんだな、と丸いちゃぶだいの周囲を測るのに30センチ定規を持ち出してもナンセンスというもので(直径を測って3.14をかける?どうやって正確に直径を測れるだろう)この場合はヒモを用意してちゃぶだいをぐるりと巻いてみて後からそれを30センチ定規で測るもよし、ちゃぶ台の周囲の一点にしるしをつけて縦にして定規の上を転がして点が一周する距離を測っても良し。そういうのが万人に理解される測り方*1というものだ。かといって杓子定規で何も測れる物はないというと決してそうではなく、例えばカマドの中の炊きあがったご飯の具合を調べるのに30センチ定規を使ってもこれは誰にも理解されない。
 物には色々なはかり方があり、人は色々な価値観をもつ。例えば夏の夜に一発の花火があがるとして、100人いれば100の思考が生まれる。ある人は花火の色、ある人は色の変化の数、ある人は揃い方、ある人は大きさ、ある人は高さ、またある人は花火どころではなくやっと誘えた隣の女の子のリアクション、と様々なスタンスから花火を測る。が、こういう風に自由に定規を持ち出す事が出来るのは幸せで、世の中にはそれぞれ適切な定規を用意されたシーンというのもたくさんあってこの場合は定規を見誤ると表題のように杓子定規だ何だとやかましく言われる事になる。その場その場にあった定規をぱっと懐から取り出してさっと測ることが出来る男になりたいもんだ。その為にはいろんな定規をもってないとだめやし、その為には一つの定規をずーっと使ったらそれがなじみすぎて離れたくなくなるっていうのを意図して避けなあかんわな。いろんな経験を通して定規を増やすのもいいけどもやっぱ人が持っている定規を拝借したりマネして作ったりするのが効率がいい。ま、そういうことやな。

*1:そういえば僕が感心したはかり方で、直角の量り方がある。グラウンドに直角を書きたいときはメジャーさえあれば三平方の定理により簡単に直角を書くことができる。これは中学校の頃の昼休みなどに結構重要で、サッカーなどのコートを書こうと思えばわずかに角度が違っただけでも数十メートル先で大きくずれてしまう。