Thee Rang 跡地

https://solaponz.hatenadiary.jp/ 跡地

会議は決定する場所ではない

 いうことがようやく分かってきた。
 別に仕事に限らず、誰かと集って何かを話するという時に初めてその会話の本題に踏み入り、相手の真意を問うという事はどうにもうまくない。以前は『根回し』は日本独特の文化だと考えていたが、ユニバーサルに通じる古今東西老若男女を越えた交渉ごとの鉄則だという事が分かった。
 誰かと自分の一対一の場合だとまだ行き当たりばったりでも何とかなるかもしれないが、複数人の事情が交錯するような交渉ごとでは誰がどれだけ事前に場のコンセンサスをつかんでいるか、もしくは場の了解を暗黙裡に集めてきたかがその交渉ごとのキーポイントとなる。その場の空気を吸ってからその味を読むようでは一歩出遅れていて、あらかじめどういう空気を流せるだろうかと色々と考えて行動できる人が強い。
 それではどういう事が行動できるという事なのだろう?
 電子メール、携帯メール全盛時代にはあまりそぐわないのかもしれないが、これはやはり電話なり直接会うなりして会話をするのが最も効果的な手法だ。何かの集まりを前にして、あらかじめそこでの会話や交渉を見込んだ上で受話器をとり、知り合いに一本電話を入れるくらいは考えてみれば非常に短い時間で大きな効果を得ることができる手段だ。そこまで考えて、実際に行動を起こせるかどうかの違いは大きい。相手には、同じ場に集うという共通点もあるので感情的にも同意や同情を獲るチャンスもある。
 イメージとしては、本番で3割の労力を費やして、もしくは運を費やして獲られるメリットが事前期間のやり方次第では0.3割の労力、運で獲られるイメージ。なんか本番、当日になったら思ったより流れが自分にかたむかなかったとか、アピールポイントが相手にまったく響かなかったとかいう経験はないだろうか?その場合は、自分以外の誰かが自分よりうまく場の空気を先読みしてある程度支配していたと見て間違いはない。
 社会でもそうだし、きっと社会でなく学生時分でも、家族間でも、友人間でもそうなのだろう。誰かと交渉をしたいと思ったときには交渉の場を設けた時点で8割がた交渉を終わらせていたほうが有利に決まっているし、その時点で結論が出ていたならばもっと言うことはない。倫理や筋にてらした場合そういった根回し、謀略は後ろ暗くもあろうが、それ以上の大義名分があればそういった些事は問題にならない。引いた視点を保っていなければ出来ない発想というのは誰にでもできるものではない。気付いてみれば簡単なこと、それを考えて導き出すのは簡単じゃあないんやなーこれが。。。決定されるべき場は、決定される場ではない。交渉されるべき場は、交渉される場ではない。
 次にうまくやろうと思ったとき、誰もがその瞬間からうまくやるために出来る事を考えないと決してうまくはいかないもの、なんだろーなー。ルール外で生き残るためには、ルールを理解して、それを疑って、ルールの枠組みをどう組み替えられるのかどう自分に有利なルールに作り変えるか自分でずーっと考えなければいけない。シュウカツの巧拙なんかが結構そういうのが大事だった気がする。OB説明会とかじゃ説明してくれないことにこそ、大切な事があった気がする。