Thee Rang 跡地

https://solaponz.hatenadiary.jp/ 跡地

こだわりラーメン

 昔前、ラーメンブームというものがあった。テレビも雑誌もこぞってどこのラーメンやがうまいだの、いやあっちのラーメンの方が旨いだのとやっていたが、最近はそんなに見なくなったところを見るともうブームもひと段落といった所なのだろう。
 世間にうまいラーメン屋というのは数あるけれども、果たしてそれが万人に受けるものなのかどうかは分からない。例えばここに100人いて、ある店のラーメンを食べて僕がうまいと思っても他の99人がまずいといえばその店のラーメンはまずいという事になるのだろうが、この場合は他の99人の舌が貧相で哀れなのであって、僕の舌のみが本当の味を知っているという事になる。全員が全員似たような考え方をしていたからああまでラーメンブームというのは加熱したのだろう。俺の知っている店が旨い。いやいや、俺のいきつけのあの店のほうが旨い。そういうやりとりは聞いているとなかなか楽しいものだ。
 僕はそんなにラーメンに入れ込んだほうではない。なぜなら、香川で生まれ育った僕にとってはラーメンなどうどんの補助食のようなものに過ぎないからだ。味は濃くて具も適当な割りにはうどんの2,3倍の値段がするというところもいけ好かない。うどんは、素材の味で勝負するので本当にうまいものはうまいしまずいものはまずいし、分かりやすくていい。ラーメンは手が入りすぎていて素材の鮮度も麺のコシも何もあったもんじゃなく、毎日食うには少しつらいものがある。
 といいつつ、やはりお気に入りのラーメン屋というのは存在する。今でも忘れ難いのは、高松市のJR栗林駅近くの「夜仲そば」、もしくは西宮市の「宮っこラーメン」。今よくお世話になっているのは「漁だし亭」、それから最近は錦糸町駅南の「璃宮」のつけ麺がなんともいえず旨い。両国の「おだ亭」も、ふらっと立ち寄った割にはしっかりした手打ち麺とヘルシーなスープ、よい香りがする自家製シナチク、本格焼き豚と満足のいく味だった。大学の頃、真冬に奈良までツーリングに行き、興福寺で休憩を取った後立ち寄ったラーメン店も美味だった。名は忘れてしまったが、はるばる神戸から来たのだからという事でお土産に高菜を持たせてもらった。家にかえってご飯と食べるとなんとも言えず美味で、あれは本当にありがたかった。
 タイのラーメンもうまい。麺の種類も豊富だし、なにより具がおいしい。シャキシャキの野菜、豚肉のつみれ、鶏肉、そして麺の上にまぶしたパクチーの良い香り。屋台とかで頼むといいとこ15バーツほどだし、+コーラやバーベキュー、もしくはデザートのココナッツアイスを組み合わせても100円ちょっとで満足できるタイの屋台はいいものだった。初めてパクチーを食べたのは確かプーケットの屋台だった気がするが、はやりこれもラーメンに乗っているものだった。ラーメンxパクチーは意外な気もするかもしれないが、相当合う。
 何気なくラーメンについてグーグルで見ていたら、ラーメンデータベースというホームページを発見した。ヤフーの映画批評コーナーと同じく素人達が自分勝手なコメントをして悦に入っておりなかなか楽しませてもらった。さきほど上げた錦糸町の「璃宮」は以下のように紹介されている。

 ラーメンデータベース | 麺や 璃宮
http://www.ramendb.com/shop/8748



 この煮詰めた感じの味の濃いスープ、おそらく調味料もそれなりに使用されていると思われる塩加減では、大量の麺を飽きずに食べる事は無理。麺は極太縮れ麺ですが、コシやモチモチ感はなく、大勝軒の自家製麺にだいぶ劣る。これは六厘舎でも感じました。この麺は見た目は立派だけど美味くないと。
六厘舎が好きで大崎まで行けない、あるいは行列が嫌という人が地元で我慢するならいいのかも。六厘舎が嫌いなので、なんでマネしたの?という気持ちです。

 何かにつけてあれと比べてこうだ、あそこはああだったと比較せずにはいられない方らしいがそんな事を言っていると外食なぞできるはずもない。珍しい食べ物を食べたければ外国にでも行けば良い、もしくは自分で作りなさいという話で、そもそもブームにのっかって出来たようなホームページで営利企業であるラーメン店を嬉々としてこきおろしている時点でその人にオリジナリティを語る資格があるとは思えない。黙って、うまかったかまずかったかを書けばそれでいい。
 その点、以下の評論には非常に感心させられた。

 ラーメンデータベース | 麺や 璃宮「燻玉つけめん・豚ほぐし丼」の採点
http://www.ramendb.com/score/36155


3月9日(金)訪問。
燻玉つけめん850円・豚ほぐし丼350円。この日、午前中新小岩で打合せがあり昨日開店したお店に自宅に帰る途中で伺った。 お店の場所は難なく分ったのでコインパーキングを探しお店の裏に見つけお店に向った。 時間はAM11:10位、縄のれんが出ていたのでお店に入ると「すみません、あと15分位で開店なのですよ」と言われ「そうですか」と言いお店の外で待とうとしたら「寒いので中で待って下さい」と有り難い言葉、開店はAM11:30のようだ。 以前は「九州らぁめん・だらんご」というお店で味も変えリニューアルオープンしたようだ。 若い店長と男性・女性各1名のスタッフで切盛りしています。 注文を聞かれメニューから[燻玉つけめん]と[豚ほぐし丼]を注文。ちょっと奮発してみた(^^) 店内はウッディーな感じで居心地が良くカウンター席に座ったが椅子の感覚も結ったりで落着いた感じ。 程 なく[豚ほぐし丼]が先に来て[燻玉つけめん]到着。全ての器が同じ種類で統一感がある。 まずはつけ汁をひと啜り。動物系のコクと魚介系の風味がバランスよく甘味や酸味は程よい感じで辛味が少し強い感じ。 今流行の濃厚系と比べるとサラッとした感じだが食べ進むうち唇がべたついてきたコラーゲンが溶け込んでいる感じだった。 麺は浅草開化楼の中太麺(通称【q=(^ー゚)チーメン】)。 確り〆られ茹で加減も良くするする口に入りしこしこした歯ざわりでつけ汁との絡みもいい感じ、らーめんの麺も同じようだ。 具はつけ汁の中にチャーシュー・めんま・海苔・燻製玉子・薬味の長葱でチャーシューはスモークしたような感じでしっとりしていて肉の味が楽しめて美味しい、めんまは歯応えが良く、薬味の長葱は多目なのが葱好きの私は嬉しかった。 燻製玉子は程よい香りで確りとした味でした。 麺を食べ終わりスープ割りをお願いする。この感じのつけ汁はスープ割をすると魚介が強く感じるが何だか動物系のコクが増した感じで濃厚になった。 つけ汁と共に[豚ほぐし丼]を頂く。 全体を確り混ぜ込み頂く。 豚の味は私にはかなり味が濃い目、葱が多めなのが嬉しい。 最近サイドメニューの丼を頂く事があるがスープ割りを頂きながらの丼は美味しさ倍増の気がした。 [つけめん]はデフォで300gあるので[豚ほぐし丼]と両方でお腹一杯、美味しく完食です。 つけ汁はオリジナル感は無い感じもするが僕にはいいバランスで安心して美味しく頂けました。 若い店長は丁寧で腰が低く接客も心がこもった感じでいい気分でした。 この味だとらーめんも美味しそうだしまた伺いたいと思います。ご馳走様でした。

 この圧倒的な文章量はどうだ。それでいて、読んでいて不快になる部分が一つもない。器や内装にも気を配り、気に入った点などを旨く書き表している。ラーメン好きの方々には標準知識なのだろうが、今はやっている○○、という表記や動物系・魚介系の風味、など見慣れぬ言葉もすんなりと理解でき、ラーメン食いたいなあという気分にさせられる。 こういうレビューを書くような人と飯をくうと、きっと何を食っても旨く感じる。やかましいだけでたいして興味もなかったラーメンブームも、こういう人にレビューをかかれる店を世間に知らしめたという点でいいもんだったのかもしれない。