Thee Rang 跡地

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財布の紐を締めたり緩めたり

 ライ物で僕ももはや社会人三年目、向かうところ敵なしの20代中盤となった。10代の頃は、20代の自分なんて想像できなかったが、イメージではどこかの高層ビルのオフィスでPCに向かって仕事をして、たまに会議にでて、週に1,2回はタクシーにのって家に帰るんだろうなー、お金は結構たまるんだろうなー、そんな想像をしていた。
 果たしていざ20も半ばにさしかかってくると、恐ろしい物で全くその想像通りの生活を送っている自分がいる。が、想像と実感で大きく違うのはやはりお金に対する感覚の変化だ。
 以前、タクシーは意外と使えるという事を書いた事がある。
 理由はいくつかあるが、一人で食事や携帯での会話をしながら移動できる手段としてのタクシー、もしくは電車やバスで感じる肉体的・精神的不快感を避けて精神衛生を保つ為の手段が主。僕の家は東京からすこし千葉よりに行った錦糸町という場所にあるのだが、だいたい都内から家に帰るときは秋葉原から総武線千葉行きというものすごく混む電車に乗るハメになる。なので、疲れているときは遠慮無くタクシーに乗る。たかだか1200,1300円だし、二人、三人なら電車賃とそう変わらない。高校の頃はタクシーなぞ夢の乗り物だったが、僕も成長したもんだと感心する。
 必要ならば、時計も、PC機器もすぐに買える。カードの引き落としなんぞの心配もしなくていい。今でこそ僕はアップルの23インチシネマディスプレイ(13万円くらい)を買おうかどうか悩んでいるが、悩めるというのは金があるという事だ。先日、ふと学生の頃のチャットログがあったので覗いてみたら、なんと親友と会話する中で「やべー貯金1万切ったw」などという発言があった。先週、ふらっとショッピングモールにいって何気なく時計を購入したばっかりの僕は、たった2,3年でこうまで金銭感覚は変わるのかと少し驚いた。1万円ではバイクのガス代もままならないのだろうが、昔の楽観的な自分の状況に少し笑いもした。
 そしてお金の使いどころというのがあるのなら、お金の節約しどころというのも当然ある。
 お金を使ってしまいそうなシーンになると瞬間的に無意識下でその衝動を抑えてしまう僕は、昔から親に節制を強いられてきた事が、非常に得難い物だったとこの歳になってようやく気づく。
 会社に入って昼飯といえば、たいてい外食することが多かった。外食すれば軽く1000円に届く。1000円もするメシというのは当然なんやかやでボリュームもあるし味も濃いし、ゼイタクの部類に入る食事だと思う。毎日昼飯に1000円札を出すのは、毎日ゼイタクをしている。
 毎日ゼイタクをしていると、それがゼイタクだと感じなくなる。ゼイ肉はつくし、晩飯も旨くなくなる。僕は最近弁当を持参する事で、昼飯代を従来の1/3ほどに、夕食の満足度を従来の3倍にする事に成功した。節約するべき部分で節約しているという感じがして良い。
 節制にも贅沢にも限りはない。折り合いがあるだけだ。
 財布の紐を締めたり緩めたり、人生は本当に退屈しないように上手く出来ているもんだ。