何金
社会人になると、とたんに金曜日が愛されはじめる。二日間の休日を前にして仕事や用事から解放された瞬間のすがすがしさは、他のどの曜日にも得難い開放感となる。先週は僕も久々に羽を伸ばして仲間とのみ、はしゃぎすぎてしまった気がする。
04/21/2007 18:55
東京駅 八重洲北口 改札前
とりあえず集合。約束の時間には絶対に集まらないのも同期同士の飲み会の特徴なので予定人数の半分ほど集まった時点で予約してあった居酒屋に移動。個室で、丸いちゃぶ台を囲んで座椅子に座ってのんびりと酒を飲み、刺身をつまむ。これでテレビでもあれば完全にサザエさんのワンシーンやなあと考えながらくつろぐ。遅れてきて２名到着し、再開を祝して再度乾杯。ビールで腹をおこす気にもなれず、ひたすら泡盛を飲む。泡盛はタイ米から作っているそうだ。日本酒は米からつくる。沖縄が、南方より海を伝ってやってきた異国の米を酒にしようと考えた事は不思議でもなんでもない。
友人がそう言っていた。ネットで調べればすぐ分かることなんだろうが、必ずしも分からなくてもいい事っていうのもあっていい。なんでもかんでも、インターネットに教えてもらわなくたっていい。泡盛が旨ければ何もいう事はない。
同日 21:35
東京駅 八重洲交差点近辺
程よくよった四人は、河岸を変えようと八重洲交差点近辺をさまよう。運良くヒレ酒がおいしいと評判だった店に入る事ができたが、もうヒレ酒は終わってしまったという事だった。仕方ないなーと思いながらチーズ巻きなどを食いつつ、ひたすら日本酒を飲む。いまさらワインやらビールやらなどが入る腹でもないしなー。同日 23:30
東京 地下鉄日本橋駅 近辺
完全に温まった四人は、次はカラオケでもいくかということでカラオケが密集している八重洲交差点より少し北に入った所へ歩を進める。あっさりと四人で入室し、それぞれが色々と歌う。一時間縛りだったので３，４曲全員が歌っておわり。こういうときでも、やっぱりブルーハーツは歌ってしまう。歌わない同世代のリーマンなんているんだろうか？？多分おらんやろうな。『誰かに金を貸してた気がする そんなことはもうどうでもいいのだ
思い出は熱いトタン屋根の上 アイスクリームみたいに溶けてった』
子供の頃、日差しでものすごく熱くなったトタン屋根の上で飛び跳ねたことが無い人がもしいたとしたら、それは可哀相なことだなーと思った。僕はそのトタン屋根の上で、ランドセルに座ってすぐ横のびわの木から実をもぎとって食っていた。その枇杷の味を超える枇杷を、多分もう食うことはないだろう。
翌 01:30
地下鉄茅場町駅近辺ダーツバー
タクシーで移動し、茅場町駅近辺のダーツバーへもぐりこむ。ふかふかのソファにすわり、思い思いにダーツを楽しむ。カルーアミルクもおいしい。会社の近くにこんな場所があるとは。カウントで肩慣らしをした後にクリケットカウントアップで四人で勝負。三時前に、閉店だというのですごすごと店を出る。裏口から出ろといわれる。なぜだ。同日 02:30
九段下 タクシー車内
大村益次郎の銅像の話から、明治維新の元勲の話、靖国神社に桜を植樹した木戸孝允の話、千鳥ヶ淵やイギリス大使館付近に桜を植樹したイギリス外交官付書記で後に大使として日本に滞在したアーネスト・サトウの話、高杉晋作の話、薩長の話、勝海舟の話、吉田松陰の話とタクシーの運ちゃんと二人で勝手に盛り上がる。僕は前のシートに座っていたが、後ろの三人は後ろの三人で勝手に盛り上がっている。悪くない。長州びいきの運ちゃんと薩摩びいきの僕、酒も入っていたこともあり楽しいひと時を過ごす。同日 03:00
新宿歌舞伎町近辺 駒劇場前
若者ばかりだがどこか荒廃した空気の漂う深夜の新宿。荒廃とはまったく無縁の僕ら四人ははしゃぎながら歩を進め、ボーリング場にたどり着く。久々のボーリングは難しく、しかしカーブをかけようと思ってぐだぐだになったり１ゲーム目８０そこらだったやつが２ゲーム目にいきなり180近く叩き出したりと、楽しかった。ぐだぐだボーリングは悪くない。設備はボロボロだったが、証明を落としてブラックライトの中でプレーすることであんまり気にならなかったのもいい。同日 05:00
JR新宿駅東口
疲れ果てて、すっかり朝になった空を見上げて帰宅。しかし駅前は人であふれ、一様に活気づいている。バブル崩壊、失われた１０年はもはや過去の話なのか？早朝にも関わらず人ごみを掻き分けながら歩き、なんかピカピカになって微妙にデザインやレイアウトが変わっていた中央線の新車両に乗る。新車のにおい？にむせ返りそうになりながら、御茶ノ水近辺の神田川を眺めながら帰途につく。そして、一週間が終わった。土曜日は始まりだ。心身が再生して、また７日間元気に生活するために始まりの土曜日がある。多分な。
