Thee Rang 跡地

https://solaponz.hatenadiary.jp/ 跡地

タイのブルーハーツ、その名は『Modern Dog』

 々木公園で毎年、タイフェスティバルというのをやっているらしい。このタイフェスティバルというのは、日本人にタイ料理やタイの文化と触れ合ってもらおうというような趣旨で開催されており、関西でも開催されているらしい。どんなもんかと思ってひょこひょこ顔出した訳だが、あまりの人出に驚いた。
 歩けば必ず誰かとぶつかる。本当に、狭くもないスペースにタイレストランが数多く屋台を出し、料理を振る舞っている。地面にはござやシートを敷いた人達がくつろぎ、思い思いにビールを飲み、タイ料理をつまみながら談笑している。まるで花見のようだ。こんなに日本人はタイが好きなのか!と感動すると同時に、びっくりした。本当に信じられない人出だった。1887年に日タイ修好宣言が調印されてからちょうど120年目に当たる今年も、盛況で何よりな事だった。ほぼ全ての料理は500円以下で、食べた限りではそんなにおかしいものはなかった。このイベントはタイ料理に興味がない人にも是非オススメなイベントだ。
 さて、今回のこのイベントの目玉は、なんといってもライブのステージだ。ライブといっても、そこらのへなちょこなイベントでもっさり開催されるようなサブいライブでは無い。登場するバンドは、タイのロックシーンを10年以上も牽引している超ビッグバンド、"Modern Dog"。僕は初めて聞いたのだったが、本当にタイで人気があるらしいと言うことはタイ人の目をみるとすぐに分かった。まだ主役のป๊อด、(読みはPOD、(Vo.))が出てきてもいないのにタイ人が目を輝かせながらはしゃいでいる。
 まもなく始まったライブで、PODは本当にかっこよかった。初めて見る僕もすっかりファンになってしまった。何がかっこいいといえば、ステージパフォーマンスに尽きる。PODのステージパフォーマンスは、まるでかつてMonsterBashで見たハイロウズ甲本ヒロトのようだった。ファッションや体系もよく似ている。飛び跳ねながらステージを暴れまくる様、マイクを両手で握りしめ前屈みで歌う様、本当によく似ていた。歌は初めて聞くのであまり馴染みはないのだが、音もリズムも非常に良かった。野外だったので抜けも良く、音質も良かったので非常に恵まれたライブだったと思う。
 タイ人ばかりにではなく、どうやら日本でもそこそこ知られたバンドらしく、日本人のベーシストとライブをしたり、日本にしばしばやって来てライブをしているらしい。確かに日本語でグーグル検索をしても結構出てきたりするなー。拠点はNYに置いているらしいが、日本のFujiRockには一聴衆として参加もしていたというから驚きだ。たしか今年も5/15火曜日に渋谷でライブをするが、間違いなく満員のライブとなるだろう。
 彼らがどういうバンドかは、便利なもんで、YouTubeにて一瞬で見ることができる。見た限りでは、プロモーションビデオもかなりおもしろく、演出や映像のレベルは高かった。タイポップスというとあまり日本人には縁のない世界だが、アツい人等はアツいもんなんだなーと思った。以下に数点ご紹介したいところだが、いつまでAvailableかは分からない。

ติ๋ม



ライブでやっていた。盛り上がりすぎな曲だった。

ตาสว่าง



プロモのようだが、いきなり出てくる(そしてずっと歌っている)オッサンが謎すぎる。どうやら、タイの古株漫才師(日本でいえばオール巨人みたいなもん?)らしい。ときたま邪魔しに来る、リッケンバッカーのギターをもった元気がいい人がPOD。途中で目薬が入る演出は結構笑えた。この曲のサビも異様な盛り上がりやったなー。。。アンコールで演奏されたので、相当な有名曲なんやろな。



同曲のライブ盤。本物のPOD。

 気に入った人は、是非CDを購入して聴いてみよう。今時、日本のPOPSだけとか、イギリスのロックだけとか、アメリカのパンクだけしか聴いてませんーみたいな人はモテない。クラシックも聴けばジャズも聴く。そして、タイポップスも聴く。音楽の世界というものはそうやって厚みを持たせ、醸造を重ねてようやく趣味の域から芸術の域に達する事ができる。と、それくらいの心意気はあっていいはず。彼らのキャッチフレーズは、"Rock never die, Dog never lie."。なんとロックなんだろう。マニアックなCDショップ、通販、ヤフオク等で販売している模様だ。