Thee Rang 跡地

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10分1000円のヘアカット

 1000円カットのQB Houseという散髪屋がある。大きめの駅にはどこも見られるようになったし、僕は海外でも見た事がある。かねてから4,5千円とられる散髪屋を高い高いと感じていた人は多くいる様で、非常に盛況のようだ。新橋などでもサラリーマンが長蛇の列を作っているのを見る。
 かく言う僕も、3回程利用した事がある。モノは試しという感じだったが、一度目がかなりうまくいったのでびっくりしてしまった。1000円なのに、結構きれいに短く切りそろえてくれて、うまくセットが出来るように考えて切ってくれていた。
 「結構良かった!」とか周りに言いふらして、その一ヶ月後にいってみたら、今度は散々な結果に終わった。前髪や後ろ髪は揃っているし、妙に長く残されている所がある。うまくセットしようにも髪がまとまって動きが出ず、非常にぼっちゃんぼっちゃんした髪型になってしまっていた。
 1回目と同じ店舗に行ったのだが、切る人が違っていたのだ。
 たまたまダメな人だったのだろう…と思い、しばらくしてからまた行ってみる事にした。1回目の人にはまた切ってもらえず、今度は女性の美容師さん?に切ってもらった。2回目よりは少々マシだったがやはりどこか適当に切られた感があり、セットがうまくできない。
 ここまで試して、ようやく「切る人を選べない」事の重要性を認識した。
 思えば、社会人になってから数年、ずっと同じ人に切ってもらうようにしていた。最初の人は2つくらい上の女性で、群馬から出てきたと言っていた。僕も上京して就職して、色々な事を話し合いながら髪を切ってもらっていた。いい相談相手だったようにも思う。その人はしばらくして店を移って行ったのだが、僕は2回ほどその移って行った先まで髪を切ってもらいに行った。
 僕が引っ越してからは、1つ上の若い男性美容師に切ってもらっている。1つ上なのにたくさんの部下を持つ店長というポジションで、仕事に対する真摯な態度にはいつも頭が下がる。本当に良く働いており、しかも腕が確か。こちらのリクエストには十分すぎるほど答えてくれるし、自分が思う以上にカッコイイ髪型にしてくれる。プライベートの話も合うので、会話がとてもおもしろい。店の中で一番料金が高い人だが、毎回迷わずこの人にする。初期には他の人にも切ってもらった事があるが、はっきりいって数千円の違いなら絶対にこの人を選ぶという程の付加価値を持っている人だ。
 やはり髪は、自分の事を良く知っていて、信頼できる美容師に任せるのが一番良い。特にビジネスでは僕はまだ若くなめられがちなので、せめて見た目はきちっとして仕事をしなければいけない。かといってかっこ良く見えない髪型も嫌なので、バランスを取るのが難しい。
 どんな美容室でも、客一人当たり10分間で1000円になるように稼働率を調整しているという話もある。コレは僕も心当たりがあり、たしかにいい美容師さんにたくさん金を払ったときはゆったり切ってもらえるし、その逆のときはあからさまに急いで散髪を終わらせようとする人もいた。
 10分1000円のヘアカットも、人を指名できてたら(ひょっとしたら出来るのかもしれないが、そういう説明はどこにも無かった)、僕ももう少し利用するようにしてるかもしれない。