Thee Rang 跡地

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入試カンニング!

 いう暴挙に出た不逞の輩がいたらしい。京大や早稲田などの入試で、英語に関する質問を、なんとYahoo知恵袋で堂々と質問したとの事。

aicezukiさんのMy知恵袋
http://my.chiebukuro.yahoo.co.jp/my/myspace_quedetail.php?writer=aicezuki

しかし、京大の英語なぞこんなところで質問してすぐ回答に反映できるんだろうか?受験生時代に相性が良かったので僕は好きだったが、難解な言い回しや、いつ終わるのかと思わされるほど長い文章を英訳/和訳させられる事で有名で、とにかく受験生泣かせと言われている。今回質問されている文章もやはりいかにも感じでニヤリとさせられる。こんなのは直訳してしまうのはナンセンスで、質問者の意図を抽出して簡単に組みなおして、知っている単語でこのニュアンスになるよう調整しながら作る必要がある。英語力に関しては語彙、熟語の応用性、文法の応用性を計る事ができ、国語力においては読解力、想像力、文章構成能力が問われる良問だと思う。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1256314792 より
人と話していて、音楽でも映画でもなんでもいいが、何かが好きだと打ち明けると、たいていはすぐさま、では一番のお気に入りはなにか、 と聞かれることになる。この問いは、真剣に答えようとすれば、かなり悩ましいものになりうる。いやしくも映画なり音楽なりの愛好家である以上、お気に入りの候補など相当数あるはずであり、その中から一つをとるには、残りのすべてを捨てねばならない。

どうやって実行したか。
さて、どうやって質問者は入試問題を知恵袋に投稿できたか。
これはどう考えても外部の協力者無しには到底難しい。つまり、実際に試験問題を目の当たりにしている人物と知恵袋を使っている人物は別々で、どういう手段で彼らが通信していたかが肝になる。「トイレに行って携帯で通信を行った」というならば同一人物でも可能だが、思考実験として程度が低すぎるので除外。案外こういうのだったりするかもしれないが。
入試会場→外部待機者
残念ながら、入試問題をリアルタイムで外部へ流すのはそう難しい事ではないだろ。ペン型カメラ、ネクタイ埋込式カメラ、腕時計式カメラなど小さなレンズを使ったカメラ製品が巷にあふれており、それらを応用すると容易に問題用紙の画像を取得できるだろう。iPhone4を持っている人は、通話スピーカーの左にある小さいレンズを見て見て欲しい。小さすぎて、たとえ肌に埋めこまれていても、ホクロと思うだろう。ジャケットのボタン、袖の縫い目、消しゴム、etc…カメラはどこにでも仕込む事ができる。
画像の送信も何の問題もない。写真を取って自動的にWebアルバムに投稿するSDカードなどの商品もあるし、JailBreakしたiPhoneでも同様の事が可能だろう。洋服の内ポケットにこういったデバイス+デザリングデバイス(ポケットWifi)などを仕込めば、密室で監視者の目前にして問題用紙をまるまる外部転送するのは容易といえるだろう。受信者は、自宅でのんびりコタツにでも入って待っていれば良い。
また、この方法で受験者が意思を発信する事もできる。(解答用紙に「ここがわからない」「AとB、どっちか教えて欲しい」などの単純な文書を書いて送信し、すぐに消しゴムで消せば良い。)
外部待機者→入試会場
ここがこの事件のネックになる。タイトルでは入試カンニングと書いたが、実は現段階では、Yahoo知恵袋にて入手した回答を、問題回答者が実際に回答に使用したかははっきりしていないので、実は今回の事件は、ただ単純に入試会場から外部待機者へと問題を送信しただけ、という可能性ももちろんある。なので、まだ「カンニング」と決まった訳ではなく、「カンニングの疑いがある」程度の状態だ。*1
ただそれではおもしろくない(不謹慎ながら.)ので、入試会場で回答している人物が外部待機者から無事に回答を取得し、答案用紙に記入したと仮定して考える。(今回の事件だと、当然そんなことをしたらすぐにバレるのでまさかそのまま答える可能性は低いと思われるが。)
情報を伝える方法は2つ。視覚情報か、音声情報か。

  • 視覚情報経由

考えられるのは、新型iPod Shuffleなどの超小型デバイス。回答を文章にしてこのデバイスに送信し、受験者はこれをなんらかの方法で確認する。ただし、試験監督の目も節穴では無いだろうから、これはとても難し手段だと思う。受験生が試験中にチラチラ何かを見ていたら、確実に即バレすると思われる。

  • 音声情報経由

なので、なんらかの形で音声データを受け取っていたと考えるのが妥当だ。これは幾通りか考えられるが、最もリアリティがありそうなのは骨伝導のイヤホンをなんらかの形で使用したという可能性だ。鎖骨や肩甲骨あたりに骨伝導スピーカーを仕込んでおけば、試験中でも周りにバレずに音声が聞き取れる可能性がある。なんなら、大胆にカツラを着用し、その中に骨伝導スピーカーを仕込んで受験する可能性も考えられる。よっぽどで無い限り、ある受験生がカツラではないかと疑う試験管など存在しないだろう。これらは入念なテストを経て実装したシステムであれば、おそらく不可能ではないと思われる。
他にも、低周波による刺激を利用したモールス信号式の意思疎通システムなども考えられない事もないか。アルファベットのパターンなんて限られているだろうし、質問者が和訳を一切質問していないのも怪しい。しかし、数学の質問もしている事から2進数的情報だけでは無い可能性が強いか。

ほんとのとこ/これからのこと
結局、犯人が捕まってみないと真相が分からない。遅かれ早かれ足はつくだろうと思うが、どういった仕組みでこのような騒ぎになったのか非常に興味深い所だ。
やろうと思えば天下の京都大学の試験問題も易々と持ち出すことができる*2という事が判明したというだけでも、この事件から得る教訓は大きい。
TOEICなどの単純な試験にこの仕組を導入してしまえば、大幅な点数アップは容易だろう。就職難のこのご時世、大金を払ってまでTOEICの900点が欲しい・・・という人は、多分たくさんいるだろう。今回のように堂々と知恵袋に投稿しなければ、闇から闇へでカンニングがあった事実すらだれも把握する事はできないだろう。就活コンサル業者が、サクラを立ててまで大企業の採用手法や入社試験を丸裸にしようと手を染める(染めている)事も充分考えられる。問題選択式の試験は軒並み気楽にカンニング可能という事になってしまう。センター試験から司法試験まで、システム屋はついに人生のパスポートまでお客様に提供できるようになってしまったのだろうか。

しかし、僕も闇のカンニング斡旋屋、開業してみようかな…と決して思ってはいけない。対策もすぐとられる*3だろうし、多分捕まります。
 

*1:回答速報を作成する業者が、サクラを仕込んでおいたのに、故意かどうかは別としてその情報にアクセスできたバカが居てYahoo知恵袋に投稿してしまった・・・という事故である事も考えられる。

*2:カンニングがあったかはともかく、持出ができた事は厳然たる事実。

*3:ノイズを発生させ携帯電波をすべてOFFにさせるなど。しかし別の通信方式で外部と通信できなくもないだろうなあ。