Thee Rang 跡地

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ユビキタスをもたらすもの

 ビキタス -Wikipedia

ユビキタス (Ubiquitous) とは、それが何であるかを意識させず(見えず)、しかも「いつでも、どこでも、だれでも」が恩恵を受けることができるインタフェース、環境、技術のことである。 〜中略〜 ラテン語でUbiqueとは、「遍く」(△「いつでも、どこでも」)を表す一般的な用語であるが、英語のubiquitousには、「神は遍在する」という宗教観がある。

一昔前に散々語られたキーワードだが、ユビキタスという言葉がある。あらゆる情報へと、プロセスを意識せずアクセスが可能になるという夢のような概念だった。
僕が最初にこの話を聞いたときは、まず10年はかかる夢物語だろうと思った。道を歩いていて、ふと飯を食いたくなって近所にある評判の高い店を探す・・・、メールやWebで読んだ内容で分からないところをWikipediaGoogleで探す・・・、携帯メールとWebメールを自在に操作でき、閲覧できる・・・、家の中のメディア情報に外出中に気軽にアクセスできる・・・、家に居ながらにして世界中の人と、あたかも同じ町内に住んでいるかのように電話でき、ビデオ通話ができる・・・、会社のメールを操作できる、海外との会議に参加できる・・・、現在地を割り出して目的地との最短距離を表示し、リアルタイムにナビゲートする・・・、PCで管理しているスケジュールを閲覧でき、リマインダしてくれる・・・、自動的に最新ニュースにアクセスできる・・・、出先で簡単に航空券予約ができる・・・などなど。

お気づきだろうが、上記は全て僕の手元のiPhone4一台で実現する事である。しかも、特に改造をする必要なくほぼ標準機能・アプリでごく標準的に実現可能な事ばかりである。

10年かかると思ったが、5年たらずで実現してしまった。

たった一本の指先からあらゆる情報へとアクセスするユビキタスの実現、つまり神の遍き愛は、Appleによってもたらされたのだった。

莫大な資本をベースに世界中で支配的な企業活動を展開する巨人企業でもなく、分散・検索技術でイノベーションを実現したベンチャー企業でもなく、5億人の市民を得たバーチャル国家でもなく、巨大企業に立ち向かい、勝利を収めデファクトスタンダードを勝ち取った世界シェアNo.1のOSを作る天才でもなく、ワールドワイドで携帯電話のトップシェアを持つ北欧の怪物企業でもなかった。

ジーンズに黒のタートルネックをまとったカリスマによって、情報・プロトコルアーキテクチャはすべからく統合され、極薄で美しい端末から自由自在なアクセスが可能になってしまった。彼は以前から神格化され一部のマカーと呼ばれる人たちから崇拝されてきた訳だが、残念ながら僕もiPhone4によって彼らの信仰に寄与する身となってしまったわけだ。

この信仰の破壊者は現れるだろうか?