Thee Rang 跡地

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鮮度の一滴

 いう醤油が素晴らしい。メーカーはヤマサ。

僕がこの醤油を見たのは2010年10月ごろだったと思う。パッケージにデカデカと書かれた、「開封後70日はほとんど味が変わりません!」とかいう文句に引かれ、購入してみた。
これが大正解だった。
どこの家でもそうだと思うが、共働きの夫婦だと普段あまり醤油を使う事はない。せいぜい料理に調味料として使うとか冷奴にかけて食うとか位で、家にある醤油はなかなか減らない、というイメージだった。すると何が起こるか。
醤油が濃く、からーーくなってしまい、風味が格段に落ちてしまう。使うのが嫌になるので、余計使わなくなりマズい醤油がたまっていく…という現象が発生する。
僕もまさにこれで、黒くなった醤油はできるだけ使わないようにしていたのだった。

なので、この「鮮度の一滴」にも全く期待してなかったのだが・・・

開封して使ってみて、一口で「うまい!」と思った。

さらに驚くことに、開封して数ヶ月しても、「うまい!」が持続する。刺身に付けても、豆腐につけても、納豆につけてみてもうまい。あっさりしょっぱくて風味がよく、塩の硬さをまったく感じることがない。
開封しても長期間フレッシュなまま持続させられる理由は、どうやら、パッケージの中に空気を入れずに、醤油だけ出すという仕組みのせいらしい。
見た目はとても醤油とは思えない。シャンプーの詰換え用のようなパックに、プラスチックの取っ手がついている。それをつまんでちゅーっと出すのだが、意外にもこれが使い良い。醤油はついつい入れすぎたり、出なさすぎたりするものだが、これだとにぎる力で醤油の量を調整できるので、必要な分だけ必要な部分にかける事ができる。

超画期的イノベーション

この特殊な容器については、こちらのページから開発秘話などが読める
これによると、この素晴らしくイノベイティブな入れ物を開発したのは新潟県三条市の、「株式会社 悠心」。社長は二瀬克規氏。会社のHPはこちら。この容器は「PID(パウチ・イン・ディスペンサー)」とよばれる新規開発製品とのこと。

正直言ってとても画期的だ。素晴らしい、超先進的なイノベーションと言って良い。世界中の家庭で、キッチンで、研究開発機関で、医療機関で・・・・どれだけの課題がこの技術によって解決されるだろうか??
更にこちらの記事には、開発までの道のりが詳しく書かれている。以下に抜粋する。

同社は2007年7月設立のベンチャー企業。弁当などに付属する醤油やソース、インスタントラーメンの液体スープなどのフィルム容器や、フィルム容器に液体を充てんする機器などを製造するメーカーで34年間、研究・開発してきた二瀬社長と「20数年前に仕事をした仲間たち」で立ち上げた。
〜中略〜
開発を進める上で「広く皆さんに使っていただけるものを」と、日本食文化に欠かせない醤油に着目。醤油は開封後、1週間ほどで酸化が進み、風味が落ち、色が黒く変化していくなど品質劣化が進むが、家庭で1リットルのペットボトル入り醤油を使い切るまでに2カ月もかかっている。
PIDは、特殊なフィルムを原材料に、開封後も「密封状態」が続き、中の液体が使われる時だけ液体の通り道ができるというもの。「鮮度の一滴」では醤油が空気に触れないため、酸化が進みにくく、常温保存でも使い切るまで、醤油の鮮度や風味が保たれる。
コンパクトに畳んで捨てることができるためゴミが減量でき、「プラスチックの使用量を極限まで下げながら、耐荷重、耐候性を上げることでワンウェイでも環境負荷を下げることができる」という。
〜中略〜
醤油以外に、酒類や油脂類など「鮮度を大切にする食品すべてが対象となり得る。防腐剤や酸化防止剤の使用を軽減できる可能性もある」とする。同社ではフィルム容器の原料フィルム、充てん機器を一貫して提案。今後は専用のハード容器や詰め替え用なども開発していく。

とりあえず僕としては、家で、うまい醤油が安定して使えるようになったのが非常にありがたい。これで裸の冷奴をむさぼらなくて済むし、焼き魚にも遠慮無く醤油をかけて食える。なんならamazonで買えるというのも素晴らしい。次にamazonで本を買うついでに、是非どうぞ。
この素晴らしさは、使ってみないと分からないだろう。しかし、使ってみたら一発で虜になる。間違いない。
本当にありがとう、ヤマサさんと悠心さん。