流言飛語とエスターク

　流言飛語＝デマ、とも言う。今回東日本大震災に伴い、メールやTwitter経由で様々な情報が飛び交った。こういった情報がどういう風に広まるのかが少し分かった気がした。

実際に回ってきたデマ

私の主人は原発に詳しいのですが、今の状況からすると関東圏は非常に危険な状態だといっています。
可能であれば、一時的にでも関西以西に避難することをおすすめします。政府が避難しろ、と言ってから避難することは、ほぼ不可能です。大混乱となりますから。動くなら今です。とりあえずは１〜２週間のつもりで。

千葉在住の友人より。週明け雨の予報です。千葉周辺の皆さんご準備を! >友人の父親がコスモ石油勤務なので、教えてくれました。コスモ石油の爆発により有害物質が雲などに付着し、雨などといっしょに降るので外出の際は傘かカッパなどを持ち歩き、身体が雨に接触しないようにして下さい！！！本当に危ないらしいです。

関西電力で働いている友達からのお願いなのですが、本日18時以降関東の電気の備蓄が底をつくらしく、中部電力や関西電力からも送電を行うらしいです。一人が少しの節電をするだけで、関東の方の携帯が充電を出来て情報を得たり、病院にいる方が医療機器を使えるようになり救われます！

【至急拡散希望】地震が起きた時、社内サーバールームにいたのだが、ラックが倒壊した。腹部を潰され、血が流れている。痛い、誰か助けてくれ。ドアが変形し、安定した情報が流れるまでは誰も動いてはならない旨が館内放送で流れている。それでは遅すぎる。腕しか動かない、呼吸ができない。助けを呼ぶことができない。

【拡散希望】フジテレビ（@fujitv）で、震災で子供を失った母が死亡届を届けに行く特番を３月１８日に放送するそうですがこれは必要な番組でしょうか？今すべき放送は行方不明や孤立している人たちを助けるための情報で、胸をえぐるようなバラエティ？はいらない。賛同いただける方はRTを！　

Twitterがデマを高速拡散させる理由

特に感じたのは、Twitterは携帯メールより手軽に転送（RT）できる為、拡散が異常に早い。また、RTではRTの真意もわからない*1のもスピード拡散の一因だろう。もちろん、Twitterが若者にも浸透しきった分、交友範囲が狭く経験や判断力の乏しいユーザーが無闇に広めたというのも大きな要因かと思う。（例えば、比較的平均年齢の高いFacebookユーザーの間ではこのようなデマの拡散はあまり見られなかった。）
もちろん、若者でなくても交友範囲が狭く経験や判断力の乏しいユーザーはたくさんいるけども。

デマ対策

情報に触れる時は、かならず鵜呑みにするのではなく、自分の頭で判断する事が大事だ。判断するというのは直感やフィーリングで正誤を判断するのではなく、様々な情報源から事実、プロセス、結果を拾い集めてきて、それを自分なりのロジックで再構築して理解しなおす事だ。
それと、情報の一次ソースに当たるという事も大事だ。「夫が東電社員で〜」「友人の父がコスモ石油勤務で…」とか、「元科学技術庁長官が〜」とか、そんなのは誰にだって言える。僕にもいえる。どんなに信憑性の高そうな情報に見えても、こういった枕詞が付いていれば身構えて聞いた方がいい。

エスタークと同じ

だいたい、こんなデマは小学校の頃の、「エスタークを７ターンで倒せば仲間になる（DQ5）」だとか、「海底のモアイ像の所で、パラディンという隠しジョブがある（FF5）」とか、そういう類の物となんらかわりない。あの頃も、「◯◯君の友達がこれでほんとに仲間にしたんだよ」とか、「にーちゃんがパラディンに転職させた人知ってるってさ」とか、そういう枕詞付きで回っていた。これに騙されてみんな必死でやりこんで、でもうまく行かないので、ホントは他にも隠し条件があるとか、そういうデマがどんどんと広がっていっていた。
あの時でも、気が利いたやつは「じゃあ実際にそのカセット持ってきて」とか、「どの攻略本とか雑誌にも書いてないけど？」とか、そういうマトモな事を言えていた。
今はインターネットがあるので、この種の噂が立つことはもうないだろう。それどころか、発売日にラスボスの名前やストーリーがNetを介して一気に広まってしまう。これは少し寂しくもある。
最近の子供達は、こういった流言飛語の洗礼を受けずに大人になったので、Twitterで気軽にデマを発信して回れるのかもしれない、というと暴論だろうなあ。

*1:こんなデマがあったよー！っていうネタRTと、みなさんこの情報に注目です！っていうマジRTの区別がつきにくい