Thee Rang 跡地

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みずほ銀行システム障害

 みずほ銀行にてシステムトラブルが発生した。大地震の後、システム処理に異常をきたし、ATMが使用できなくなるなどの障害が発生。さらに、17日からシステムダウンに陥るという悪夢のような状況を彷徨っているようだ。
 みずほ銀行では、2002年の第一勧銀と富士銀行の合併時にも大規模なシステムトラブルを起こしている。4/1発足月からいきなりトラブル発生。ATMに入金したはずの金が反映されていなかったり、引き出し処理で現金が出てこなかったり、二重引き落としが発生したり…と散々だった。結局、月の半ばまで混乱は続いた。
しかしまた再発してしまった大規模障害。タイミングがここまで最悪な障害というのも珍しい。東日本大震災直後で、日本中から義捐金が集まるタイミング。また、ガソリン不足や物資の買いだめなどで現金需要が高まっている。さらに、時期に忙しい給与支払い業務の時期になるし、もっとも最悪なことには3月末は年度末で大量の取引が発生する。噂によると、この義捐金の集中があるトラブルを引き起こした…とも言われているが、原因がどうであれ預けた金が引き出せないというのはとても深刻な問題だ。
 銀行に限らず、ITシステムというのはある程度リソースが限られている。その限られた資源をいかに効率的に使用して業務を回していくかというのをみんな頑張って考えている。たとえば、銀行だと、リアルタイムに処理しなければいけないものは『オンライン』というシステムで逐次処理を実施し、まとめて行えばいい処理については『バッチ処理』という方法で、例えばオンラインが立ち上がってない夜間にまとめて流して、処理を完了させたりする。
つまり、昼間の業務時間帯はオンライン、夜間はバッチ処理というのが実行されるのが一般的なシステムだ。
今回は、このバッチ処理が所定の時間内に収まらず、オンラインの時間帯までバッチ処理が終了しなかった(これを突き抜けるという)事がトラブルを引き起こしている。そして、夜間バッチに収まらなかった処理は次々と滞留していき、それを処理しようとするコンピューターが追いつききれずにもがいているのが現状とみえる。
ある幹部は、「被災地の銀行システムが問題なく稼働しているのに、なぜ被災もしていないみずほのシステムが止まってしまうのか」とボヤいたと報道されるが、まさにそのとおりだ。今回のような大地震発生時には、本来の銀行機能をもって金の流動性を確実に確保し、一刻も早い復興支援を確実にサポートするのがみずほBK(バンク)という企業に課せられた役目だと考えられるが、預金者に金を引き出させる事すらできず、振込処理もままならない。実際には見事に足を引っ張ってしまっている。
如何せんこのような問題を起こしたからには金融庁からの厳しい指導、そして預金者からの不信による取り付けなど恐ろしい状況に見舞われるだろう。これには放射線の報道とは違って、メディアは「一時的なものなので心配ない」とか、「ただちに悪影響を及ぼす恐れはない」とか、気休め程度にもかばってくれないだろう。
もし万が一、メガバンクの一角であるみずほBK、そしてみずほCB、みずほFGにまで何かがあったときは、これは経済界と、産業界を巻き込んだ大津波になる。こちらも戦後の日本金融史において、山一證券の時と同じくらいのインパクトを持つ大震災となってしまう。
もちろん、現場で必死に障害と戦っている人たちはたくさんいる。2002年の時には、それで自殺者も出たという。一刻も早く預金者の不便を解消すべく戦っているのだろう。1ユーザーとして出来ることと言えば、彼らの無事と成功を祈るのみ。