Thee Rang 跡地

https://solaponz.hatenadiary.jp/ 跡地

高温岩体発電とは。

 ないだ初めて知ったのでメモ書き程度に。

原子力発電所のリスクが自分の両手で届く範囲に降り掛かってきた今、今回の原発騒動は発電について改めて考える切っ掛けとなった。(まだ進行形だが。3/27現在の状況はこちら(PDF)にある。)
CO2削減やら地球温暖化やらがやたらと叫ばれて火力発電が旧テクノロジーになってしまってから、原子力発電所はクリーンな発電所として日本各地に建設が推進されてきた。以下は基礎データ。

  • 日本には69基存在
  • 稼働中のものは55基
  • 基数でいうとアメリカに次いで2位
  • フランスの60基よりわずかに多い

資源の乏しい日本は原子力発電に依存する傾向があると言える。
そして今回の震災の影響を考えると、今後日本で原子力発電所を増設する事は大変困難だろうというのは火を見るより明らかで、代替をどう確保するかという議論がおこるだろう。

各所で色々な発電方法が取りざたされているが、僕は「高温岩体発電」というのに目が止まった。これはどういうものかというと、以下の千葉県立現代産業科学館のWebサイトからパクった画像が分かりやすい。

つまり、地中深くに人口の貯水スペースを作り、そこにストローを二本指す。片方から水を注入し、片方からマグマから伝わる熱で温められた熱水を取り込み、タービンを回して発電する、という仕組み。
たしかにコレだと一度施設を作ってしまえばメンテナンスコストはそうかかりそうにもないし、地震津波が来ても関係なさそうだ。なにより地球のマグマのエネルギーを利用するので、クリーンで安全、かつエネルギー源が無尽蔵というのが素晴らしい。
昔の人は井戸を掘って水を飲んでいた。じゃあ、今は井戸を掘って電力を頂こう。

技術的には、人口の貯水スペースをどうつくるかというのがまだ確立されていないとの事で、数十年単位での研究が必要となるらしいが、地学を愛する僕にとってはとてもロマン溢れる発電方法だ。早期実現のニュースを心待ちにしたい。

財団法人 電力中央研究所のこちらのページに、非常に詳細な資料があるので、興味がある方はお目通し頂きたい。
「電中研レビュー第49号 未利用地熱資源の開発に向けて 高温岩体発電への取り組み」
http://criepi.denken.or.jp/research/review/No49/index.html