Thee Rang 跡地

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メロン記念日

 家からメロンが送られてきた。白くて小奇麗なダンボール箱には、熊本県産のクインシーメロン、その上に小さく"「ふるさと会」"と書いてある。
中を開けると説明書きがあり、食べごろは『触って弾力を感じる程度』とあった。メロンを指でつついてみると、どうも弾力があるような無いような感じではっきりとしないので、とりあえずしばらく寝かせておく事になった。
そして一週間ほどした今日、ようやくメロンを切って食べてみようという事になった。

正直、それまで何気なく部屋の片隅に置かれている白いダンボールだったので、「食べたい!!」という意識があったというより、「そろそろ食べないとまずいのかなあ」というような感覚だった。包丁だしてまな板だして・・・っていう事すら億劫に感じるほど、優先順位はそう高く無かったのだった。

しかし、さすがにメロン。包丁を入れた瞬間にパァっと赤肉が開けて、喩えようもない豊かな香りが鼻をくすぐった。甘くて豊潤な、自然のうまみをたっぷりと吸い込んで熟成した香りだった。

一気に脳のうまいものセンサー(?)が反応し、テンションが跳ね上がった。はやる気持ちを抑え、丁寧に種を除去し、食いつけるようにカットした。

そして、ひときれ手にとってかぶりついてみた。

・・・うまい!!!!


あまーくとろけるような果肉は、その触感を裏切らないほどよい甘みと、本物のメロンのほのかな苦味を含んでいるけだるいような香りが口の中で得も言われぬハーモニーを奏でる。時を忘れ、またたくまに家族三人の胃袋に半個が消えた。これはやばいとおもい、慌てて半分をラップして冷蔵庫に収納。

いやーまじでメロンうまい。これは桃にも言える事なのだが、なんでこんな果物が自然界に存在しうるのか、全く訳がわからない。人工的にこれに勝る甘みがいまだに世にないこともわからない。自然は偉大だ、人間は本当にちっぽけだ。

メロンなんて金持ちの友達の家にいったときにまれに出てくる存在、くらいにしか思ってなかったが、この素晴らしい体験を味わうにはたまーーにお取り寄せしてみるのも悪くないな。ギフトにするのも悪くない。これから夏にかけて、あと一回くらいは我が家でこの感動を味わいたいもんだ。