Thee Rang 跡地

https://solaponz.hatenadiary.jp/ 跡地

ドヤ顔

 て、いつのまにこんない一般的な言葉になったんだろか!?そもそも関東で全く聞いたことがない言葉だった。というか、関西でもそんなに聞く言葉ではなかった。今使われているように、例えば話の流れの中で、立場の上位者*1が下位者に向かってイジリをいれてるときに、下位者が上位者にささやかな反抗を行うというような時に、『そのドヤ顔腹立つわ〜』みたいな使われ方をするとか、そんくらいしかきかんかったし、別にドヤ顔という言葉自体に笑いが発生する訳でもなかったので存在感をほとんど感じ無い単語だった。

それが今、到る所で聞こえてくる。職場でも、電車の中でも、ネットを見ていても、ドヤ顔ドヤ顔ととても楽しそうに騒がれていて、こんな状況では逆に人々は恥ずかしくなってあんまりこのドヤ顔という言葉を使えなくなってしまうのではないか?と心配してしまう。

ドヤ顔時の注意点
しかし、ドヤ顔の定義はとても曖昧だ。Webで検索すると、『得意顔の関西弁』とあるが、その『得意』というのが曲者だ。ドヤ顔というからには、決して褒めているのではないのだろうが、この『得意』が、誰から見ても明らかに、客観的にほんとうにスゴイ事なのだとしたら、いかにドヤ顔をしようが、周りから「ドヤ顔」と言ってもらえる事はなく、普通に「スゴいねー!」で終わってしまう。誰もしらないような事をしゃべってドヤ顔をしてみても、それが本当に有益で誰も知らない価値のある情報なのだとしたら、「へー、なるほどね!」で済まされる。それではただの自慢になってしまい、後味が悪い。無理に『ドヤ顔だ!』とかって突っ込もうとしても、ツッコむ側も負け惜しみや悔し紛れのような気がしてバツが悪い。ドヤ顔にとって重要なのは、『得意』滑稽さやボケ、矛盾などを内包させた上でそんな感じの顔を見せる事なんだろーな。
手軽にドヤ顔閲覧
Googleでイメージ検索すると、気持ちの良いくらいのドヤ顔がこれでもかと出てくる。
リアルなドヤ顔はとても繊細。
こういうドヤ顔だととても分かりやすくていいのだが、実際の社会生活で出会うドヤ顔っていうのはこんなに分かりやすくない。人と話をしていて感じる得意顔っていうのは、もうちょっと繊細で複雑だ。たとえば、無表情でも言葉の抑揚や目線からドヤ顔マインドを感じ取る事もあるし、ちょっと困ったようなうつむいた表情から『得意満面』な気配を感じる事もある。普段普通に喋る人が、突然早口になったりゆっくりな口調になったりした時も、なんらかの心境の変化があったとみなせるので、このときもドヤ心が疑われる。なんにせよ、何かその人が誇りに思っている事は何か、というのを感じ取るのはコミュニケーションの上でとても重要なファクターだったりするので、ドヤ顔センサー*2を敏感にたてておくのは無駄なことではないのだろう。*3

*1:年長者という意味ではなく、あくまでその会話の中で主導権を握っている人物、という意味。

*2:周囲の人間の得意心を敏感に感じ取る感覚

*3:TPOによりつっこむか流すかの判断は必要。