Thee Rang 跡地

https://solaponz.hatenadiary.jp/ 跡地

利子のタネ

 行に金を預けたら、その額に応じて一年に一会、『利子』を得ることができる。現在、日本では雀の涙ほどのこの『利子』だが、国や銀行によってはバカにならないくらいのレートがついていたりして、『利子だけで食っていく』という大昔のお伽話のような生活もまだまだできるところが存在する。1980年頃は普通預金金利は3%台くらいあった。しかし、定期預金、普通預金ともに意味があるのかないのか分からないような金利しかつかない現在の日本の銀行には、金を預けておいてもまったく旨みがない。

利子の発祥
この『利子』という概念、何気に興味深い。
その発祥は、穀物の種をやりとりする中で、季節を経た種の増加分に付加価値を見出した取引形態にある、とどこかで読んだ事がある。例えば、A君に種を100粒貸し付けたB君は、その翌年、その種を使って栽培を行い、さらに新たな種を得たA君から、元々の100粒の種ではなく、増加分の種からいくらかのプレミアムをつけて110粒かえしてもらう、といった具合だ。
タダでは借りれない
世の中の借り物には、利子が付くのが常。住宅を買うにも、借金したら利子を払わなければならない。どれくらい払うかというと、おおざっぱに言えば例えば4,000万の家を30年ローンで買う場合、なんと半分の2000万円くらいを払う必要がある。もちろん控除を受けられたりするので単純には比較できないが、この事実を見るだけでも、利子がどれくらい馬鹿にならないかがよく分かる。
デビットの罠
他にも、苦学生がよく騙される?デビットカードなんかも利子の特性をうまく利用している。デビットカードは、基本的には5とか10ヶ月とかで分割払いをしていって、金がある月は多めに帰して返済を前倒しできますよー、というものだが、フレキシブルな分利子がめちゃめちゃ高い。クレジットカード会社はデビットカードでかなりの儲けを出しているので、何かとデビットカードの案内状を送付したり、キャンペーンをしてみたりと、あの手この手で誘惑の手を伸ばしてくるのだった。
『今年の夏休みは、毎日1時間勉強しよう』と1学期の終業式に決心して、結局1日も実行しない典型的な小学生、といった現象がそのまま再現される事になる。「金があるときに返そう!」と借りるときには決心しても、いざ手元に金ができると、つい気が大きくなってうまいものをくったり、またぞろ高い買い物をしたりと、どうしてもそういう行動をしてしまうのが人間というものだ。

(何を隠そう、僕も大学二年のころ、バイトで働いていたPCパーツショップで、選りによったパーツを利用して組んだハイスペックタワー型PCをデビットカードの12回払いで購入した事がある。後々計算してみると、1万強をを余分に払っていたのに気がついて、腹が立つやら情けなくなるやらといった経験がある。)

金が金を稼ぐ
昔流行った金持ち父さんという本の中に、『お金にお金を稼いできてもらう』という表現があったそうだ(僕は未読)。この書き方はものすごくうまいなあと感心した事があるのだが、これは、金持ちになるには、金を元手に金を稼ぐ事が重要だという事のメタファーだ。といっても、金持ちとはとても縁遠い僕にとっては、『それってそもそも金がなけりゃどうしようもないやん、ニワトリタマゴやん』とか思わない事もない。

日本にいると、物価はどんどんと下がっていき、金利もどんどんと下がっていくのが当たり前になっているので、あまり資産運用や金利で儲けるといった事に対して鈍感になりがちだ。しかし、日本が位置するアジア圏はいま世界中で一番成長しているといってもいい地域で、周りを見れば、日本では信じられない様な好条件の金利商品がわさわさと存在している。中には、とてもぁゃιぃものもあり注意が必要ではあるが、資産が余って余って仕方ないという人は、ヘンに騙されて不動産投資なんかして痛い目をみるよりかは、寄付をするつもりで発展途上国の公的機関の資金調達に手を差し伸べるのもオツなものではないだろうか。


利子に泣かされる人もいれば、利子に高笑いする人もいる。人間は縄文の昔から同じ事を延々と繰り返してきたのだろう、最初に穀物の種子が時間の経過につれて増加する事に目をつけてプレミアムをつけた人は、大変なイノベーターだなー。