Thee Rang 跡地

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うどんについて

 香川県で育ったので、当然ながらうどんを愛している。毎日うどんを食っても飽きないし(というかほぼ食ってた)、どんなに旨い料理を食っても、どんなに豪華な店にいっても、やはりどっちか1つだけ選べといわれたら、きっとうどんを取るだろうというくらい好きだ。広島のお好み焼きと、同じくらい好きだ。

栄養的にどーなんだ
香川県民はあまりにもうどんを食うあまり、うどんを食うという行為について栄養学的な観点から考察する事をしない。食うもんは喰う、それは仕方ない行為なのであって、ヘルシーだからとか長生きできるからとかそういう発想は一切ない。というか、僕が無い。ほかの人、もしあったらごめんなさい。

ちなみにといか勿論というか、うどんはほとんどが小麦粉で、カロリーはかなり低い。ゆでたうどんの100gがだいたい100Kcal。香川県うどん屋のだいたいが、1玉で240gほどの量なので、つまりは240Kcal程なのだ。これは、驚くべきヘルシーさだ。

ヘルシーなのはいいのだが、栄養がない。その上、塩分濃度が高い(だしを一緒に飲む場合が多いので)。野菜を意識的に多く摂ったり(しかし天ぷらはカロリーに注意)、だしを飲むのを控えたりしてうまく調整していくしかない。僕などは、天かすをたっぷりいれたうどんだしを飲み干すのが至福の瞬間なので、あまりよろしくはない食べ方をしていると言える。

うどん評価
僕はとても寛容で前向きなので、東京でうどんをよく食べるし、特にまずいとかどうとか文句を言ったりする事はない。よく、周りの人から「ここのうどんはダメでしょ?」とかって聞かれたりするが、「いや、意外といけんちゃう?」みたいな前向きな評価をするので、がっかりされたり物足りない顔をされたりする。

…これは不思議でもなんでもない。香川以外で、うまいうどんなど食えるわけがないので、これで正しい。うどんとしてダメとかどうとかいうより、本物のうどんを夢想するより無い東京暮らしにおいて、うどんのような食べ物を作って提供してくれているという時点で、僕の中ではとてもありがたい事であって、感謝の対象であれとこき下ろしたり悪く言うハズがない。

コシとかツヤとか甘みとか
麺のコシ、などとよく言われるが、これはとても繊細な感覚だ。麺の中心部分と周囲の部分の水分含有量の違いや温度によりこのコシを感じ取る感覚は違ってくる。本当においしいお店で食べたゆがきたてのうどんというのは、このコシが凄まじく美味なのだが、おそらく、この本当の美味さを味わうには、香川に行き、しかも打ち立てのうどんを提供してくれる店でないと難しい。

さらに、うどんの色艶からほのかな甘みに至るまでもが奥深い。よく、うどんは喉越しと言う。これを勘違いして、うどんは噛まずに飲み込むものであるというような人が稀にいるが、あれは、愛媛には家ごとにポンジュースが出る蛇口がある並のギャグであって、コシのあるうどんをかみしめて食べるというのがもちろん正しい。こうする事によって初めて、小麦粉のもつほのかな甘味を感じる事ができる。ただし、かみしめて食べる時でも、真にコシのあるうどんというのは、喉越しが本当にいいのだ。この点が、うどんは喉越しという真意がある所といって過言ではない。

…という事で、『香川家はうどん県に改名しました』というのを見て、思い浮かんだことをつらつらと書いてみたのでした。