Thee Rang 跡地

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信用創造の錬金術

 行が果たす役割の一つとして、もっとも重要なものに『信用創造』というものがある。とてもおもしろい仕組みなのだが、おそらくニュースを聞いていたり金融に関する本を読んでもあまりピンとくるものでもないだろうから、簡単にご紹介。これを読んだら、次から銀行を見る目が変わるかも。。。

概説
簡単にいうと、銀行が預かった金を他人に貸す事で、その貸した金はまた活きた金として市場を巡る事で、もともとあずかっていが額面+貸した金額が、市場から見て両方共実在してしまうような事をいう。
たとえば、1000円預かった銀行が500円他人に貸すと、市場全体から見れば1000+500の金が存在するように見える。こうしてみると、銀行というのはまるで金を生み出す魔術師のようで、非常に奇っ怪だ。
信用創造の限度
もちろんこの手法には限度があり、日銀当座預金という、市中銀行が日銀にもつ銀行口座への準備率という形でコントロールされている。準備率が10%であれば、保有する現金の10倍まで信用創造し、貸し付ける事ができる。
準備率から創造されるお金
手元の現金100万円さえあれば、それを当座預金にぶち込んで、1000万円の預金を生み出せるという事だ。ちなみに、現在の日銀の法定準備率は0.01%。これは、銀行は100万円を日銀に積立て金として当座に預け入れるだけで10,000倍の約100億円まで存在しないお金を個人や企業に貸し付けることが法的に許可されている状態だ。
もちろん、貸付は慈善事業ではないのでタダではない。貸出利息というものをキッチリ頂く事でようやくお金を貸せるのであって、100万円の現金で、100億円に対する数%の利息を得る事ができるのが、銀行が儲かる仕組みだ。(利息1%の仏の融資であっても、1億円が利息として転がり込んでくる。手元に100万円の現金しか増えてないのに、1億円の利息を儲けるわけだ。)
わかりやすいMovie
というのは文字で追っていてもよく分からないので、以前みかけて関心した以下のムービーでも見てみよう。とても良くできている。多少長いが、おもしろい。

Money As Debt(日本語字幕版)

日本語字幕版は↓から。
http://video.google.com/videoplay?docid=-446781510928242771&hl=en

どうだろう?こういう仕組み、とても巧妙だと思わないだろうか?誰が考えたのか知らないが、ほんとよくできてるなー。