Thee Rang 跡地

https://solaponz.hatenadiary.jp/ 跡地

四苦発句

 句は難しい。人の心情や景色のさまの移り変わりを時には切れ味鋭い言葉でえぐりだし、時には温かく包みこむような言葉で覆い尽くす。季語という縛りにより、平面+立体に加え、時間の移ろいという四次元的要素が必要不可欠となる。

今の時代、俳句って一体なぜわざわざ季節の言葉を入れないといけないのか、と思うのが普通だろう。僕もそう思うが、昔は時間の移ろいを表すのに季節を以って表現するより無かったのかと思う。

また、あまりにも無限大に広がる俳句の世界に、一定の尺度で線引きをして領域を設ける事で、その中での腕前を競う事ができるようになった。その線引きがこの季語、すなわち時間の移ろい、だ。

発句するには、自由な心で、感受性を最大限高め、幾多も湧き出る言葉の泉を次々に飲み込み尽くして行って、それらから珠玉の表現を掬い上げてつなぎあわせ、衆目の目に晒す必要がある。とても勇気がいる作業だし、その前に、とても難しい作業だ。

ここで一句

 雲間から 月に覗かれ 足早に

・・・こんなん出ましたけど。