Thee Rang 跡地

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優柔不断の免罪符

 柔不断、とは何時の世も男に投げかけられる、わりと最大級の侮蔑であったりする。男なら、スパッと決めて、潔く責任を持つべしといったような考え方に由来するのだろうが、そんなことを言われても分からんもんは分からんし、決められんもんは決められん。
字面を見ても、優(すぐれる)柔(柔軟性)とあるのをスルーして、"不断"の部分ばかりスコープされても困る。柔不断、ならなんとなくなよっとした感じでイケてないなぁと思うんだが、"優(すぐれる)"なので、結構イケてるやんかと思ったりする。

ボーダーラインの引き方
何か判断を下すときに、常に100%判断に必要な情報が揃うわけではない。というかむしろ、不確定要素が大半を占める状態で、その不確定要素にさらに自らの推測を重ねて何かを決断しないといけないという事が殆どで、困ったことに、それに対して責任を追う事になるのが世の常だ。別に自分のせいでなくとも、その不確定要素に何か一つ例外が混じっていてその例外のせいで失敗したとしても、決断した自分の責任という事になる。

ここで、人によって、どこで決断へ至るボーダーラインを引くかが大きく異なる。慎重な性格で、限りなく100%まで事実を確認していってようやく決断を下すという人もいれば、まだ10%ほどしかはっきりしたことがわかってないけど、とりあえずカンと勢いで決めちまう!っていう人もいる。どっちが優れているとか劣っているとかでは無く、そういうタイプの人間はそれぞれ必ず存在する、というだけの話だ。

それはいい。ボーダーラインの引き方に個人差があるのは当たり前だ。

ただし、場合によってはボーダーラインの引き方に、無言/有言の要求が入る事があって、それを把握できずにボーダーラインの引き方を失敗してしまい、場の不興を買うような事が稀にある。こういうときは、自分がどういう特性を持っているかはとりあえず置いておいて、そのばで求められているボーダーラインの位置を大まかに察知して、それに見合った判断材料の検討及び決断というのが重要になる。

意外とできない、"決めの問題"
Aでもいい、しかしBでもいい。どっちかにしなければならない。こういう場合、その決定に関わるものの義務として、決定者に対してどちらにすればいいかという示唆を与えるという事がある。どちらでもいいから、あなたの好きに決めてください、では話にならない。AもBもいいと思うが、こういう理由からBにすべきだ、というようなものが決断に役立つ情報であり、価値のある情報といえる。

こういった示唆なしに、決めの問題を決める事というのは意外と難しく、じゃんけんやアミダくじが許されない状況では人々を混乱に陥れる事すらままある。

決めの問題だからこそ、正常で多様な示唆が必要となるのだ。

示唆を出せ示唆を
決断を戸惑うことがあるのは、これはもう仕方がない。例えば、買い物デート中の男性が女性のストールを選ぶときに、A柄とB柄があり、「あなたの好きな方を買うから、どっちがいいか決めて」と訊かれて決めかねるのは当然だ。こんな決断など無責任でとてもできない、と思い悩む人もいるかもしれない。

こういう時に必要なのが上記の示唆だ。B柄は以前もっていたものと似ているからA柄にしたほうがコーディネートの幅が広がる〜だとか、個人的には駅でよくB柄をみかけるから、君にはA柄を着てみて欲しい〜とか、そいういうようななんでもいいから示唆を出せるかどうかで、同じ優柔不断でも受け取る印象は変わったものになる

優柔不断の謗りを免れるためにも、示唆は有効な武器となる。デートでも仕事でも、覚えておくと得をする事もある…かもしれない。