A Miracle Of A Perfect Day For Bananafish

　Banana Fish　という漫画がある。少女漫画でありながら、銃やギャングがわんさか出てきて、バトルシーンもばちばちでてくるニューヨークを舞台としたハードボイルドな漫画だ。今でも根強い人気を誇るこの漫画だが、僕も高校時代はまっていた。高二の頃、姉貴の持っていたコミックスをあさっていると、フラワーコミックスの癖に真っ黄色なコミックスを見かけたのでなんだろうと思って読み始めたのが始まりだ。
　いきなりベトナム戦争のシーンから始まるので、しばらく敬遠していたが読み始めるとおもしろかった。
　主人公のかっこよさやストーリーの奇抜さはいまさら説明するまでもないだろうが、一つ、この漫画に関して（ちょっとした）奇跡を起こしたことがある。
　以下のページは、かっこよくて強くて賢いというパーフェクトな主人公の『アッシュ』が、兄貴を亡くして一人落ち込むシーンだ。（単行本三巻収録）
　
　アッシュの物憂げな後ろ姿に、うまく都会の建物の屋上の寂しさを重ねてあっさりと見せる所が読者の想像力を刺激する、大変いいシーンだ。
　それはそれとして、僕はニューヨークに二度行った事があり、一度目は母親との観光だった。主にメトロポリタン美術館を目的とした旅だったが、そのとき泊まったホテルで部屋に入ろうとすると、なんと部屋にバスタオルを巻いただけの姿の男がいて、母親と二人でびっくりして声を上げた記憶がある。結局、ホテル側のミスでダブルブッキングをしてしまっていたようだったが、３０分ほど他の部屋の準備ができるまで、ロビーで待たされた。僕はとにかく腹が減っていたので、母親に断ってエレベーターで下に降りてマクドナルドにビッグマックを買いに行き、またロビーにもどってそれをほおばっていた。
　この旅では銀塩一眼レフを持っていっていたので、そのときに何気なく窓の外に向かってシャッターを切った。以下の写真がそのときに撮った一枚だ。
　
　どうだろう。漫画のシーンと非常に似た光景だ。というか、そっくりそのままだ。
　きっと作者の資料の中に、このホテルのこの方角の窓から撮られた写真が混ざっていたのだろうが、それにしてもこれに気が付いたときは本当にびっくりした。漫画を読んでいて、アッシュが座っているその光景にどうしても見覚えがあったのだが気付かずにイライラし、なんとなく気分転換に実際にNYを訪れた時の写真を眺めようとして発見したのだ。Banana fishファンの友達に自慢しまくったのは言うまでもない。
　今回の帰省でその写真とコミックスを見つけたので、比較したものを掲載。

　Banana Fish ファンの皆さん、うらやましーだろーー

　※ちなみにホテルは、マディソンスクウェアガーデンの斜向かい？だったような記憶がある。おぼろげながら。