エレベーターで紳士のたしなみ
「エレベーターに乗ったとき、どこに陣取るかでその人の人柄が分かる」と誰かが言っていた。それはオーバーすぎるだろと思うのだが、実際エレベーターに乗っていると、マナーの良い人、悪い人というのは結構クリアに浮き上がってくる。
マナーのよい人(エレベーター紳士)
- 他人が自分の為に開閉ボタンを押し続けている事にすぐ気づき、ハッキリとお礼を言う。
- みんな待ってくれてたらそそくさと早足で乗り込み、「すみません」と会釈。
- 自分が乗り込んだらできるだけコントロールパネルを操作しようとする。
- 常に他人が乗ってくる事を意識し、開ボタンをおしがち。
- 乗り込んだら押し黙り、階数表示か扉の一点をじーっと見つめる。
- 他人の乗り降りで開閉ボタンを押し続ける。
- 他人が降りるときに、降りてしばらく歩くまで開ボタンを押したままにする。
- エレベーターで目的階が押されていないとき、小声で「◯◯階をお願いします」「ありがとうございます」とはっきりと伝える。
- ほほえみかけられたら笑顔で返す。
- 子供がいたら、かわいいですねーとか賢いですねーとか褒める。
- 同行者がエレベーターで喋り出しても、黙るよう促すか無言で接する。
- 間違った階を押しても、「ダブルクリック」もしくは「長押し」でスマートに解除。
- 降りるときは、自分が一番最後。降り際に残っている人に軽く会釈。
- 扉の外に人がいる事を想定し、乗り降りは丁寧。
- エレベーターに「搭乗する」。
マナーの悪い人(エレベーター☓☓☓)
- 乗り降りの時、他人が開閉ボタンを押してくれていても無言。
- それに気づいても小声でボソボソと「アザス」とか言う。
- みんな待ってくれてたらつまらなさそうな顔で次のエレベーターを待つ。
- エレベーターの中でくっちゃべる。
- エレベーターの中でもそもそうごいて他人に当たる。
- エレベーターで目的階が押されていないとき、無言で人を押しのけてボタンを押す。
- 他人が降りるときは、すぐに閉ボタンを連打する。
- ほほえみかけられたら見なかったふり。
- 子供がいたら舌打ち。
- 自分が乗り込んだらすぐ出て欲しいので、閉ボタンを押しがち。
- 間違った階を押したら、舌打ちしたり照れ隠しで独り言を喋ったりする。
- 迷惑そうな顔をしている同行者におかまいなく話を振る。
- 自分がコントロールパネルの前にいても、目的階で最初に降りる。
- 扉の外に人がいるという考えがなく、乗り降りでたまに人にぶつかりそうになる。
- エレベーターで「運ばれる。」
フライトの心得
紳士は、エレベーターに「運ばれない」。バスに乗る、京浜東北線に乗る、新幹線に乗る、飛行機に乗る…そういう行為と同じようにエレベーターに接し、エレベーターに「搭乗する」。エレベーターが離陸するのを行儀よく待ち、フライト中は乗客の皆様のご迷惑にならないように心がけ、機体の目的階への着陸後は全員の安全を確認した上で降機する。そう、一流のエレベーター紳士には、一流のパイロットにも似た覚悟と気配りが求められる。
いそいでいるとき、精神的に余裕がない時ほどためされるのがマナーである。
しかし、マナーを守れない人にさえ微笑みを投げかける余裕もまた、紳士のたしなみ。
エレベーター紳士、あなたは如何ほどたしなんでますか?