Thee Rang 跡地

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パチもんブランドの氾濫

 本国内ではあんまり意識する事はないのだが、香港や韓国、タイに旅行した事のある人なら、ブランド物や高級腕時計などのパチモノが整然と売られているのを見たことがあるだろう。
香港旅行に行けば必ず偽物腕時計のセールスに遭うというのは常識だそうだが、ロレックスやオメガなどの分かりやすいパチモノはもちろん、最近はBALLやBELLL&ROSSなどの若者系ブランドまで偽物が登場してしまっているらしい。
服飾についてもルイ・ヴィトンの有名所はもちろん、エルメス、グッチなどの定番ブランド、アバクロやポロ、ラコステディーゼル、APEなどの中級ファッションブランドまで、バンコクを一時間も歩けば至れり尽くせりの取り揃えを愉しむ事ができる。

偽物と本物は、比較さえすれば容易に判別できるものだが、偽物だけ目の前に出されて『本物のヴィトンだよー、13万したよ』って言われて少し眺めただけでは、相当の通でない限り偽物とは見抜けないだろう。パチモノにもいろんな品質があって、よくできたものは小箱や保存用袋まで再現したりしてて侮れない。質のいい偽物は、『スーパーコピー』などと呼ばれ、日本でも堂々と通販されたりしていて興味深い。価格が数万円するものもあり驚かされる。

バーキンの偽物(スーパーコピー)、なんと29000円!
http://www.vuitton-bag.com/product-1976-0825.html

気をつけなければいけないのは、このように『スーパーコピー』などと銘打ったよくできた偽物が、ヤフーオークションなどで堂々と本物として販売されている点だ。僕もiPhone4のバンパーをヤフオクで落札した事があったが、届いたものはどう見ても粗悪な偽物でがっくりきた事がある。
幸いにもこの時は偽物である事を先方に伝え、返品するという事で返金処理もすぐしてもらえたので良かったが、なんとこの業者、この後すぐに連絡が取れなくなってしまった。返品の送付先もまだ教えてもらえていないので、結局まだその偽物は手元にあって、どうしたらいいか悩んでいる。

氾濫するブランドロゴ
こないだ弁当を買いに近所のコンビニの横の弁当やに買い物にいったら、目の前で弁当を買ってたどう見ても高校生くらいの茶髪のあんちゃんが、ヴィトンのショルダーバックを身につけていた。やっすいTシャツにダボパンで、すぐ横にとめてあった125ccのスクーターで颯爽と去っていたのだったが、正規品だと7,8万円もするシロモノを持ってたりするもんなんだろうか?
ああいうのも偽物なんだったら納得が行くが、こういうミスマッチなブランド品って至る所で遭遇する。例えば、休日に電車なんかのってると、やたらブランドで身を固めた人に出会う。そんないブランド買う余裕あるならタクシーでも乗れよと思ったりする。あとは、あきらかにそんなに金ねーだろって人が、高級ブランド時計をしてたりして驚く事もある。聞けばローンで買えるとの事で、なんと36回払いにして買うというのが結構一般的らしい。ローンでブランド品を買う、というのはやや切なくなる話ではある。
ブランド品の力
しかし、そこまでしても欲しいと思わせるのがブランド品。そのブランド力はどこで行使されるかと言えば、もちろんそれを理解してくれる相手がいて初めて行使されるものだ。例えばヴィトンのカバンを下げてるイケメンと、ダイエーでかったジップバクぶら下げてる同程度のイケメンがいるとすれば、前者の方がモテるだろうと推測できる。初対面の人と会って話をする時に、ちらっとロレックスの時計が袖から見えたりしたら、ちらっとG-Shockが見えた時とは明らかに違う対応になるだろう。
そのメリットが、ブランドへ支払う高額な商品代金に充分ペイすると考えるのであれば、ブランドを買うのも理解できる。流石に36回払いにする程かといわれれば首をかしげてしまうが、ブランド品の価値はその多くが周囲の人間の心理コントロールに役立ものだとすれば、偽物に心揺れてしまうというのも分からないではない。
ネットのスーパーコピーとやらを売るお店も、あんなたくさんあるって事は、きっと繁盛してるって事なんだろう。
ブランド品を持つ「人を」疑う
そしてそんなにスーパーコピーが氾濫しているのだとすれば、確実に自分たちの周りにもたくさん存在するんだろう。電車でふと目にするそのルイ・ヴィトンが、そのグッチが、実はチープな偽物だったりするかもしれない。別に所持品がパチモノだと疑われるのは構わないが、自分自身が『パチもんを使って周囲を欺いて自分をよく見せようというしょーもない人間』だと思われるのは勘弁ならない。そんな目で見られたくなければ、ブランドをミスマッチせずに使うか、そのブランドにふさわしい振る舞いを意識しておかないといけないなー。

とりあえず僕は、隣りに座った人の腕時計は必ずチェックする様にしていて、何本かパチもんとしか思えない時計を見たことがある。そういう時はものすごくツッコミたくなるんだが、我慢するのが大変だー…。